留学前は、出発の日が近づいてくると少し落ち着かないような、不安な気持ちになります。言葉も文化も違う、知らない土地で生活を始めようとしているのですから、不安になるのは仕方ありません。
では、留学前に感じる不安を解消するには、どうすれば良いのでしょうか。 今回は、英語や現地での生活に関する不安を解消する方法と考え方をご紹介します。 日本を出る前に、一つ一つ解決していきましょう。
||目次||
2. 英語に関する不安の解消法
留学前に不安を感じるのは当たり前
初めての留学ならもちろん、これまで留学経験のある人でも、前回と違う国に行くときは気になることがいろいろと出てきます。
例えば、「海外に行って本当に英語で生活できるだろうか」「ホストファミリーはどんな人たちだろう」「学校で授業についていけるのか」といった不安が頭をよぎります。
日本人が少ないといわれている場所を留学先に選べば、現地で友達ができるのかどうかが不安になり、反対に大都市を選んだ場合は、犯罪などの危ない目にあわないか心配になるでしょう。どのような選択をしても、不安は付きものです。
また、比較的長期の留学の場合には、経済面での不安を感じるかもしれません。
留学前に不安になるのは、多くの人が経験している当たり前のことです。
日本にいるうちにしっかり準備をすれば、不安を解消したり、軽減したりすることはできます。
英語に関する不安の解消法
留学する人の多くにとって大きな不安となるのが、英語に関することでしょう。英語に自信がある人も、ネイティブにきちんと通じるのかどうかは気になるところです。
英語に関する不安を解消する方法と考え方をご紹介します。
●留学前にも英語を勉強しておく
英語に関する不安の解消法は、日本を出発する前にできるだけ勉強しておくことです。自分の中で「できる限りのことをやった」という気持ちがあると、何もしていないよりは不安が軽減します。
勉強する上で「どこから手をつけたらいいのかわからない」という人は、まずは英単語をできるだけ多く覚えて、ボキャブラリーを増やしましょう。語彙力が身に付くと、ネイティブが話した単語がわからなくて聞き取れない、自分が言いたい内容をうまく伝えられないといったことを減らせます。
また語学学校のカプランには、英語力診断テスト(無料)があります。自分の苦手なスキルを発見することから始めることも一つの手です。
留学後にどれくらいの語学力を目指すのか目標を設定して、自分の現在のレベルを把握しておくと、留学中にどれくらい頑張れば良いのかがはっきりします。
設定する目標は「TOEFLで75点を取る」など、具体的な内容にするのがおすすめです。現在の自分のレベルを知るために、資格試験を受けるのも良いでしょう。TOEFLやTOEIC、英検などで頻出といわれる英単語は、現地の日常生活でもよく使われるものが多いので、試験のための学習は留学先でもきっと生きてきます。
また、ホストファミリーとの生活に不安がある場合は、日常でよく使うフレーズを事前に調べて勉強しておきましょう。自己紹介だけでなく、「今日は外で食べるので、夕ご飯はいりません」「日曜日は一日中友達と外出します」など、使いそうなフレーズを書き出して、どのように英語で伝えればいいかをノートにまとめるといった方法がおすすめです。
●語学学校ならレベルに合わせた授業を受けられる
語学学校に留学する人は、授業が英語で行われるので、ついていけるかどうかが気になるのではないでしょうか。
語学学校では入学する際にレベル分けテストを受けるので、自分の英語力に適したレベルの授業を受けられます。授業を受けてみて「クラスのレベルが自分に合っていない」と感じたら、クラス変更が可能な学校もありますので、学校のカウンセラーなどに相談してみましょう。
授業はよく聞いて、復習をきちんと行う姿勢が大切です。復習をすることによって、授業で習った知識が定着します。予習もしておくと、授業の流れを理解しやすくなるほか、自分のわからない部分を明確にした上で授業に臨めます。予習でわからなかった部分は先生に尋ねて、確認しましょう。
●英語が通じなくてもめげない
実際に留学してから気をつけたいのは、語学学校の先生やクラスメイト、街中にいるショップの店員さんなどに自分の英語が通じなくても落ち込まないことです。
たいていの場合、話している英語が間違っているから通じないのではなく、聞き取る側の耳が日本人の英語の訛りに慣れていないために聞き取りづらく、わかりにくいというだけです。
留学してすぐはうまく通じないかもしれませんが、諦めずに積極的に話しかけてみましょう。英語は話すことによって、次第に発音も上達していきますし、ネイティブならではの言い回しなどを覚えていくことができます。
現地での生活に関する不安の解消法
現地できちんと生活していけるかどうかが不安な人は、事前にきちんと情報収集をしておきましょう。
●現地の文化や習慣について情報収集
出発前に留学先の文化を予習しておくと良いでしょう。アメリカなど、文化がよく知られている国に留学する場合でも、情報収集をすると意外と知らないことが多いのに気付かされます。現地の文化や習慣についてあらかじめ知っておけば、カルチャーショックも少なく済むはずです。
留学先の都市や街で、治安の悪いところがどこなのかも合わせてチェックしておきましょう。危険から身を守るためにも、治安の悪いところは避ける必要があります。
調べる際は、通う予定の学校や住む都市・街のWebサイトはもちろん、留学生の体験記が書かれたブログまたはSNSなどを見てみましょう。これから留学する人、留学を考えている人、現在留学中の人が情報交換をしたり、交流したりできるコミュニティーもあります。
●友達をつくるコツは積極性
現地で友達をつくるには、話しかけられるのを待つのではなく、積極的に話しかけていく姿勢が大切です。いきなり現地に住むネイティブの友達をつくるのはハードルが高くても、学校で開催されているアクティビティーなどに積極的に参加すれば、自分と同じように英語を学んでいる生徒と知り合いになることができます。
いつでも英語で自己紹介できるように、話題を用意しておくと良いでしょう。自分のことを話すだけでなく、相手のことを知りたいとアピールするのもポイントです。「Yes.」や「No.」で答えられるような質問ではなく、出身国の文化や趣味など、相手のことがわかる質問をして、会話のキャッチボールを楽しみましょう。
アクティビティーに、ほかにも日本人留学生が参加していた場合は、できるだけ英語を使って話し、日本人以外の人も会話に参加できるような、オープンな雰囲気をつくっていきましょう。
●ホームシックは「誰でもなり得る」もの
楽しい留学も数カ月などの長期間にわたると、日本の家族や友達が恋しくなってホームシックになる人がいます。
ホームシックになるのは特別なことではなく、留学生の大多数が経験する症状です。ただ、初めて留学する人や、一人で悩みを抱え込みがちな人などは、ホームシックになりやすいといわれています。
現地で友達ができれば、「日本が恋しい」という気持ちは感じにくくなるでしょうし、英語だけを話すのに限界を感じたら日本人の友達と日本語を話しても大丈夫です。
「ホームシックになったり、海外で孤独を感じたりしたらどうしよう」と悩むより、「必要に応じて息抜きをしても大丈夫」という、リラックスした気持ちで臨みましょう。
●お金は工夫次第で節約可能
留学はお金がかかるものですが、食費や交通費など、細かい部分を工夫すれば節約することができます。
学生寮に滞在するのであれば、「外食は週末や友達に誘われたときだけ」と決めて自炊をすれば節約になります。海外のスーパーマーケットで食材を購入するのは、カラフルなパッケージの商品や見慣れないものが並んでいて楽しいものです。
ホームステイをする予定の人は、交通費や交際費を工夫してみましょう。電車やバスの運賃が割引になる、お得なカードを販売している国もあります。
留学中に観光もしたいと考えている人は、語学学校のアクティビティーを利用するのがおすすめです。個人でツアーに参加するよりも、費用を抑えられます。
留学前の不安は、事前の準備とポジティブ思考で解消
留学前に不安を感じるのは当然のことです。感じている不安が具体的であればあるほど、解決策は見つけやすいでしょう。インターネットや経験豊富な留学カウンセラーをうまく使って情報を集め、事前にリサーチしましょう。
それでもまだ不安が残る場合は、自分が留学を決めたきっかけを思い出してみてください。そもそもの留学のきっかけや目的に立ち返って、「頑張ろう」と前向きな気持ちになることも大切です。
実際に留学をしてみると、たとえ英語が完璧に通じなくても、どうにか生活できるものです。
不安なほうに気持ちが傾いてネガティブになるのではなく、「留学したら○○に観光をしたい」「オシャレなカフェに行ってみたい」などとポジティブな考え方で想像を広げ、留学後の生活をイメージしてみましょう。