海外がより身近になった今、留学の「目的」は人によって様々になってきました。
しかし、「留学の目的は?」と聞かれて、返答に困ることはありませんか?
そもそも目的とは、
実現しようとしてめざす事柄。または、行動のねらい。
デジタル大辞泉より
という意味で、留学に当てはめると、「何を実現したくて、留学をするのか?」ということになります。
目的が何にせよ、出発前から「何のために留学をするのか?」、「そのためには何をするべきなのか?」を明確にしておくと、留学中に壁にぶち当たった時やくじけそうになった時などに、乗り切る糧になることもあります。
そこでこのページでは、留学で頻繁に挙げられる目的を紹介します。これこそわたしのやりたかったことだ!という気付きになると幸いです。
1.語学力の向上
まず一番メジャーなもので、語学力アップを目的にするケースがあります。
日本での英語学習は、文法や読むことに集中し、総合的な英語のレベルは、そこまで高くないことが現状です。「実際に話せるようになりたい!」「生きた英語に触れたい!」と考える人は多いです。
その背景には、近年、日本国内でも英語に接触する機会が増えているということがあります。
海外で、日本食やサブカルチャーが注目されるにつれ、日本への外国人観光客も増えています。道で外国の方に道を聞かれることも珍しくなくなりました。更に、インターネットの普及によって、簡単に海外の情報にもアクセスできるようになり、英語に触れる機会は日常に溢れています。
ただ、英語が理解出来るようになりたい!と思ってはいても、テキスト片手に隙間時間で理想の英語力を手に入れるには根気と時間が必要です。そこで、留学をして、勉強しなければならない環境に身をおくことで、より効率的で確実な語学力アップの近道であることは間違いありません。
●主な留学スタイル
英語力の向上を目的の一番に挙げる場合、一般的なのは短期もしくは、長期での語学留学です。
学生であれば、高校や大学の夏休みなどを利用して、提携している海外の学校に交換留学する方法もありますね。
2.海外でしか勉強できない分野を勉強する
最近では、大学や大学院の進学を機に、海外留学を希望する人も少なくありません。海外の大学は入学、卒業ともに難しいですが、そこで得られることは本当に多いです。
更に、海外の大学には、日本では学べないような学問がたくさん存在します。
例えば、ゴルフ場の芝生や砂場の手入れについて学べる、Golf Course Management(タールトン州立大学)やゴミの分解や臭いについて学ぶJoy of Garbage (サンタクララ大学)、サーカスでのパフォーマンスについて学べる、Contemporary Circus and Physical Performance(バーススパ大学)など、日本では見ないような学科も、海外の大学を視野に入れると見つかります。似たような分野でも、より自分の要求にピンポイントに合った学科を見つけることもできます。
また、前述にもあるように、卒業するのが難しい海外の大学でしっかり勉強しつつ、なれない環境に囲まれて自分自身を成長させるには最適なのが大学留学です。
●主な留学スタイル
日本の大学には進学せず、海外の大学に入学から卒業までするスタイルがまず一つあります。英語力や費用の面で心配の場合、アメリカでは主流である、コミュニティ・カレッジに入学し、最初の2年間の学費を抑えて大学へ編入、卒業する形も認められています。
また、在籍している大学が提携している海外の大学へ交換留学や、大学によっては未提携の大学でも単位を互換できる場合もあります。
3.本場で専門知識・スキルを身につける
自分が学びたい分野の本場が海外である場合や、より専門的な知識を身に着けるために留学する人もいます。特に芸術の分野では、世界に通用する力をつけるには、海外の名門校でレベルの高い教師や生徒から刺激を受ける必要があることも。
映画制作について学ぶならハリウッド、ファッションデザインについて学ぶならロンドン、音楽について学ぶならウィーンなど、日本で勉強するだけでは世界で通用するのは難しい分野は存在します。
教師の知識や経験、学校の設備、生徒の学習に対する姿勢から刺激を受け、より自分を高めたい場合、分野によっては自然と海外留学が視野に入ってきます。
●主な留学スタイル
大学、もしくは専門学校に通うのが一般的です。
中には、ポートフォリオ(作品集)の提出が必要な大学や専門学校もあるので、一から学びたい人よりもある程度の知識がある状態での留学が望ましいです。
また、授業を理解したり議論に参加する英語力も必要ですし、分野によっては非常にお金が掛かるので、それなりの覚悟と明確な人生計画をしておく必要があります。
4.将来のキャリア アップ
企業のグローバル化が進む中、語学力はもちろん一つの武器になりますが、留学で得た能力もキャリアアップには大変重要な要素です。
例えば、海外の学校での授業は、日本の受け身の授業と違い、生徒も積極的に授業に参加することを求められます。授業によっては、グループディスカッションやグループプレゼンテーションなど、大学によっては多くの留学生はいる中で、様々なバックグラウンドを持つ生徒達とやるプロジェクトもあるかも知れません。そういったことに参加することで、様々な価値観に触れ、自分の視野を広げることもできます。
これらの経験は、グローバル企業はもちろんのこと、これからの日本の将来を形成していく中でも注目される体験だと言えます。特に海外に進出している企業は、海外生活を経験したことがある人材を積極的に採用したいと考えている場合も多いです。
今では、留学経験自体は珍しいものではなくなってきており、留学したことで得られたことや失敗からどうやって成長することが出来たのかを話せるとより有意義な留学経験としてみてもらえるでしょう。
●主な留学スタイル
様々な留学スタイルが考えられますが、英語だけでなく+αで何かを経験したい場合、MBAやインターンシップ、ボランティア留学スタイルもあります。
5.海外生活を体験する
テレビや映画、雑誌などで毎日のように目にしているとは言え、海外に実際に住んでみると自分なりの発見があったりするものです。普段と違う生活を体験することで、より自分に合った生き方や暮らし方を知ることが出来たり、四季を感じられる風土や、時間通りに機能している公共機関、遅くまで開いている店とその数など、それまでは当たり前だと思っていた日本の良さを発見できたりします。
海外ドラマや映画を通して外国の街並みや生活スタイルを知る機会が増え、実際にその環境を体験してみたい!と憧れる人も多いです。私自身も最初の留学先を決めるときに、街並みが可愛いから、という理由で迷わずにイギリスを選んだ記憶があります。
●主な留学スタイル
どの英語レベルでも通える語学学校への留学や、ワーキングホリデー制度を利用して海外生活を体験する人が多いです。
急に知り合いのいない海外に行っても何をしたら良いのか分からない、生活に必要なものを揃えるにはどこに行けば良いのか迷ってしまう、友だちがいなくて寂しい、という状況を避けるためにも、初めての海外留学の場合は語学学校に通う人が多いです。
6.新しい自分の発見
現状に何かしら疑問があり、留学をして環境を変え、新しい自分を発見したい、と期待する人も多いです。
今の自分の生活から距離を置くことで解決策や改善方法が分かることもありますし、留学生活を通して視野を拡げることで、別の見方を出来るようになります。
留学を決意して準備をし、実行するだけでも達成感と自信が得られるので、「留学してみたいけど…」と悩んでいるようでしたら思い切って行動に移してみてはいかがでしょうか?
●主な留学スタイル
自分の都合に合わせて留学時期や期間が決められる語学留学が人気ですが、「英語で何かを勉強して新しい強みを得たい」、「より自分を成長させたい」という場合には、大学や専門学校に通うのも良いでしょう。また、海外で生活しながら、就業も体験できる、ワーキングホリデー制度も便利です。
7.出身国の違う人達と出会う
カナダやオーストラリアなど移民を積極的に受け入れている国などでは、日本で暮らしていたら絶対に知り合うことがなかった人との出会いがあります。
人から学べることは多いですし、受ける刺激は無限大です。育った環境、考え方、価値観などがまったく違う人達との出会いを通し、今までに考えもしなかったことに遭遇することもあるでしょう。歴史についてその国の人から教わるのは、興味を惹かれやすく世界を身近に感じることが出来ます。
また、人脈はビジネスでも非常に貴重なものです。交通機関の発達やインターネットにより世界が狭くなった今日、留学で世界に出来た友達が、将来のビジネスビジネスパートナーになる可能性だってゼロではありません。
●主な留学スタイル
様々な国の生徒が集まる語学留学は、全員が英語を学習する、という同じ目的を持っているので親しくなりやすいです。学校によっては国籍が偏っている場合があるので、生徒の国籍はどうなっているのかを確認するもの忘れないようにしましょう。
特別な分野での知り合いを作りたい場合には、それに関する専門学校へ通うのがベストです。
8.違う世界を見る
他の国の文化や習慣などに触れるのが目的な人も多いです。日本の当たり前が、全く当たり前ではなかったことを実際に体験して、考えさせられることはたくさんあります。
私のケースで言えば、スペイン東部のバスク地方がスペインから独立することを希望し、自分がスペイン人だと呼ばれることを嫌うバスク地方出身の男性など、実際に目の当たりにしてみると、彼らの真剣さに衝撃を受けました。
本で読んだりテレビで見たりした知識や文化はどこかフィクションめいていますが、留学して体験することで実際に違う価値観や考え方を体験するのは非常に貴重なことです。まさに百聞は一見に如かず。
色々な考えに触れることで物事を柔軟に考えられるようになり、日常生活に戻った後でも新しい観点で物事を見ることが出来るようになります。
●主な留学スタイル
より多くの国籍の人に出会うには語学留学がぴったりですが、留学先の国について深く知りたいようでしたら、地元に未着していてローカルの生徒が通う大学やカレッジがおすすめです。
留学をする上で大切なこと
「留学の目的は?」と聞かれて、「ただなんとなくで目的なんて。。」と思っている人もいるかも知れません。
でもそういった人でも、きっと心の奥底で、何かを考えて、思って留学すると決断したはず。
例えば、「友達が留学をして帰ってきたら自信に満ち溢れていた」や「留学経験は就活に活かせる思った」など。
目的なんてそんな形式ばった物ではないかも知れませんが、まずはその思いや考えをはっきりさせて見ましょう。
それだけでも、留学や現地での心構えが違ってくるはずです。
語学学校のカプラン
世界の見え方が変わって自分も変わる