街中でもし外国人に道を尋ねられたら、スムーズに答えることができますか?
地図で場所を指し示すだけでも教えることはできますが、やはり言葉で説明したほうが相手にとっても親切です。また、日本を訪れる外国人観光客も増えつつあるので、日本国内でも英語で道を尋ねられる可能性があるかもしれません。
いざ尋ねられたときに備えたいという人に向けて、「これだけ覚えておけば大丈夫」という道案内の表現を厳選してご紹介します。
【目次】
1. 尋ねられるときのフレーズ
尋ねられるときのフレーズ
道の尋ね方は大体決まっています。「Yes」や「No」で答えられる場合と、それ以外に分けて見ていきましょう。
●Yes/Noで答えられる質問文
1)Could you tell me where ~ is?
意味:~はどこにあるのか教えていただけませんか?
2)Could you tell me how to get to ~ ?
意味:~にはどうやって行くのか教えていただけませんか?
3)Do you know where ~ is?
意味:~はどこにあるのか知っていますか?
4)Is there ~ nearby?
意味:近くに~はありますか?
1~3は、いずれも相手の行く場所が既に決まっていて、「~はどこにあるのか(どうやって行くか)教えていただけませんか」「~はどこにあるのか知っていますか」という尋ね方です。知っていれば「Yes」、知らなければ「No」と伝え、後ほどご紹介する道案内のフレーズを続けます。なお、「Could you tell me where ~ is?」と「Could you tell me how to get to ~ ?」の答えは「Yes」よりも、「O.K.」と言ってから案内を始めると、より自然な受け答えになります。
4は「Is there a post office nearby?」(近くに郵便局はありますか?)というように、特定の場所よりも、不特定のお店や施設を探している場合に使われます。
●Yes/No以外で答える質問文
5)How do(can)I get to ~ ?
意味:~にはどうやって行きますか(行けますか)?
6)Where is the closest ~ ?
意味:最も近い~はどこですか?
7)I’m looking for ~.
意味:~を探しています。
5は特定の場所への行き方を尋ねるときに使われます。わかる場合は、その場所までの行き方を案内しましょう。
6は「Where is the closest bank?」(最も近い銀行はどこですか?)など、銀行やATM、コンビニ、駅などを探しているときに使われます。「Is there ~ nearby?」と似ていますが、「Where is the closest ~ ?」と尋ねられたときは「Yes」「No」では答えられません。
7は「I’m looking for Shibuya station.」(渋谷駅を探しています)のように、特定の場所が入る場合もあれば、お店や施設を探しているときにも使われます。
いずれも、とっさに答えられない場合は「Well, let me see.」(えーと、ちょっと待ってくださいね)と少し時間をもらってから、案内を始めましょう。
道案内のはじめに使うフレーズ
次は、尋ねられた場所やお店などへの行き方を説明するときに使う、出だしのフレーズです。
8)The best(quickest/easiest)way is to ~.
意味:最も良い(速い/簡単な)行き方は~です。
目的の場所まで複数のルートがある場合のフレーズです。たとえ近道でも道順が複雑で説明しづらいときは、回り道でもわかりやすい道筋を教えてあげたほうが相手も助かるでしょう。この後に続くフレーズは、後ほどご紹介する「go straight ahead」(真っすぐ行ってください)などです。「quickest」は、「cross the park diagonally」(公園を斜めに横切る)ときなどに使えそうです。
9)You are right here.
意味:あなたは今ここにいます。
相手が地図を手にしていたり、自分が地図を持っていたり、あるいは近くに案内板がある場合に地図上で現在地を指し示して使うフレーズです。指し示した現在地からの行き方を説明します。「right」をなくして「You are here.」でも通じます。
10)I’ll take you there.
意味:そこまで連れて行ってあげましょう。
口で説明しにくい、説明するより一緒に行ったほうが早い場合など、現地まで同行してあげるときに使うフレーズです。相手の意志を確認してから行きたいときは、「Shall I take you there?」(そこまで連れて行ってあげましょうか?)と疑問文にすると良いでしょう。
目的地までの行き方を伝えるフレーズ
具体的に道筋を表すフレーズを見ていきましょう。「通りをまっすぐ行く」「渡る」「曲がる」などの表現があります。
11)Go straight ~.
意味:~(まで、向かってなど)真っすぐ行ってください。
12)Go down ~.
意味:~へ行ってください。
11と12は共に通りを指差して(あるいは地図上で)「真っすぐ行く」指示ですが、どこまで真っすぐ行くのかを明確にする必要があります。
例えば、「for ~ blocks」(~ブロック)を使って「Go straight for two blocks.」(2ブロック真っすぐ行ってください)、「until you get to ~」(~に行き当たるまで)を使って「Go straight until you get to the bank.」(銀行まで真っすぐ行ってください)と表現することができます。細い道が多く、ブロック(区画)の切れ目がわかりにくい場合は、ブロックよりも「to the 3rd traffic light」(3つ目の信号まで)などといったほうが、相手もわかりやすいかもしれません。
12は「Go down this street.」(この道を真っすぐ行ってください)などの他に、建物の中などでも使います。
13)Go past ~.
意味:~を通り過ぎてください。
「Go past a police box.」(交番を通り過ぎてください)のように、「post office」(郵便局)、「hospital」(病院)、「bridge」(橋)といった施設や店舗を目印に説明します。
また、「You will see a big red billboard (sign) on your right.」(右手に大きな赤い看板が見えます)と目印を示した後で、「Go past there and ~.」(そこを通り過ぎて~)などと続けても良いでしょう。
14)Stay on ~.
意味:~に居続けてください(~をそのまま歩いてください)。
歩いている通りをそのまま行く場合に使います。この後には「this street about 3 minutes, then turn right on ~ street」(この通りをそのまま3分くらい歩いて、それから~通りを右に曲がってください)などと続けます。
15)Turn right (left) at the ~.
意味:~で右(左)に曲がってください。
16)Cross the street.
意味:その通りを渡ってください。
17)Go over (under) this bridge.
意味:橋を渡って(くぐって)ください。
道を曲がったり、通りや橋を渡ったり、くぐったりするときに使うフレーズです。
例えば「Turn right at the intersection.」(交差点で右に曲がってください)や「Turn left at the corner.」(角を左に曲がってください)などです。
通りの反対側に渡る場合は「Cross to the opposite side of the street.」と言います。
目的地のある位置を伝えるフレーズ
目的地にピンポイントでたどり着くには、その近くにある目印との位置関係を説明する必要があります。以下のようなフレーズを使いましょう。
18)be next to ~
意味:~の隣にある
19)be in front of ~
意味:~の前にある
「隣」と「正面」の位置関係を示すときの表現です。例えば目印がガソリンスタンドであれば、「The restaurant is next to a gas station」(そのレストランならガソリンスタンドの隣にあります)と説明します。「be in front of ~.」は「then you will see the restaurant in front of you」(そうしたらレストランが目の前に見えます)という使い方もできます。
20)at the end of ~
意味:~の終わりに
21)There is ~ near目的地.
意味:目的地の近くには~があります。
20は「You will see it at the end of this street.」(この通りの突き当たりに見えますよ)というように、道の最後まで進んでほしいときなどに使います。
21は「There is a playground near the library.」(図書館の近くには運動場があります)など、目的地の近くにある目印を教える表現です。
いずれも目的地の看板が出ていればすぐわかりますが、ビルに入っている場合は、近くまで行っても見つけにくいかもしれません。「I think you should ask somebody around there.」(そこで誰かに尋ねたほうが良いと思います)と、その付近であらためて場所を尋ねるように断っておくと良いでしょう。
わからないときに使うフレーズ
尋ねられた場所や道順がわからない、うまく説明できないときは、以下のようなフレーズで対応します。
22)I’m sorry, I don’t know where that is.
意味:すみません、どこにあるのか知りません。
23)I’m sorry, I’m a stranger here too.
意味:すみません、私もこの辺には詳しくありません。
「No」とだけ返すと嫌な印象を与えてしまうおそれがあるので、「sorry」を使います。上の例は「すみません」の後、それぞれ「わかりません」、「この辺には私も詳しくありません」と返すフレーズです。
24)Please ask someone else.
意味:誰か他の人に尋ねてください。
「わからないから」と何も言わず立ち去ってしまうのは相手に失礼なので、「Please ask someone else.」と周りの人に尋ねてもらうように答える方法もあります。あるいは「Let me ask someone.」(他の人に聞いてみます)と相手に代わって誰かに聞いてあげると、より親切な対応といえるでしょう。
25)Let me google it.
意味:グーグルで検索してみましょう。
スマホを持っている場合はGoogleを使って検索するという方法もあります。ホームページや地図を見せてあげれば、相手がわかるかもしれません。
道案内は英会話をブラッシュアップするチャンス
場所を教える以外にも、目的地までかかるおよその時間を伝えておくと、相手は安心します。その場合は「It should be about 10 minutes before you get there.」(そこに着くまで約10分かかるでしょう)や、簡単に見つかるような場合は「You can’t miss it.」(すぐにわかります)と言ってあげると良いでしょう。
道を尋ねられたら、親切に温かく対応したいものです。「道はわかるのに言葉が出てこない」と残念な思いをしないためにも、まずは道案内に使う表現を覚えることが大切です。基本的なフレーズを組み合わせていけば、簡単な道案内ができるようになります。いかに相手にわかりやすく伝えられるか、考える力も身に付くでしょう。
道案内は、英会話をブラッシュアップするチャンスです。もし尋ねられる機会があったら、今回ご紹介したフレーズを思い出し、臆せず挑戦してみてください。