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アメリカでは通用しない日本人がやりがちなビジネスマナー15選

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18 3月 2016
アメリカと日本のビジネスマナーの違い

海外で仕事をする時に気をつけたいのが「ビジネスマナー」です。

つい、日本の常識を持ったままで仕事に取り組んでカルチャーショックを受けることもよくあることです。時には恥ずかしい思いをしたりトラブルを引き起こす原因にもなるので、十分に注意したいところです。

そこで、今回はアメリカでは通用しない日本人がついやりがちなビジネスマナーについて紹介します。さらに合わせて、アメリカではどう振る舞うのが正しいのかを解説していきたいと思います。

 

1.商談の最初に名刺交換

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日本では、商談やアポイントメントの初めに名刺交換をするのが通例ですが、アメリカでは名刺交換はさほど重要とされていません。日本では、名刺交換の作法・マナーがあったりと敬意を示す儀礼的な意味合いが含まれていますが、アメリカでは名刺はメモ代わり、相手を覚えておくためのものとして認識されています。

アメリカの挨拶では、名刺交換よりも先に固く握手を交わして自分の名前を名乗り合うのが一般的基本です。名刺交換はその後です。時には商談やアポイントメントの最後に行われることもあります。

 

2.考える時に腕組みをする

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日本では、会議や商談の最中に無意識に腕組みをしてしまう人が多いと思いますが、アメリカでは、腕組みはビジネスマナー上あまり良いものとされていません。ビジネスシーンでは「敵対の意思表示」と認識されてしまうためです。大切な会議や商談の際には意識して腕組みしないようにしましょう。

腕組みにかかわらず、ピースやOKサインなどといった意思表示を示すボディーランゲージは、国や人種によって侮辱・敵対の意思を示すこともあるので、慎重に使うのが得策でしょう。

 

3.分からなくても笑顔で対応する

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日本では、常に笑顔でニコニコと明るくいることが良しとされます。しかし、アメリカにおいては「なんでわからないのにヘラヘラしているのか?」と誤った印象を与えかねません。アメリカは自己主張の文化が強いです。主張をしなければ存在しないのと一緒とみなされてしまいます。わからない時は無理に笑顔を作らずに積極的に発言をしましょう。

 

4.お辞儀をして礼儀正しく対応をする

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日本人は、特にお辞儀をする文化が根付いていて礼儀正しい国民とされています。

しかし、やり過ぎはかえって逆効果です。アメリカでは、「落ち着きがない」という印象を与えかねません。アメリカにおける仕事のやり取りではアイコンタクトを重視します。お辞儀をすると、顔が下に向くためにアイコンタクトが取りにくくなるため、コミュニケーションをとりづらいと思われてしまうことは少なくないでしょう。お辞儀をするべき時は行う、それ以外は毅然とした態度で臨むのがよいでしょう。

 

5.エレベーターやタクシーでは目上の方を優先する

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日本では、席次やエレベーターなどすべて肩書きや役職順で決まっています。しかし、アメリカではレディーファーストです。これは、取引先を接待する場合でも、まずは女性を(取引先・同じ会社の仲間関係なく)優先します。

これは、知人・友人の間柄に限らずに、面識のない女性にドアを開けておくということも含めてです。ここは、大きく日本と異なるので気をつけましょう。

 

6.後輩の女子社員を食事に誘う

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複数人数であれば問題ありませんが、女性と一対一で夜ご飯に行くことはアメリカではデートと受け取られかねないので気をつけましょう。こっちでは、気軽に飲み会と称して行きますが、アメリカでは異性として見られていると思ってしまいます。

 

7.お客さんにお酒を注ぐ

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たとえ、接待の場であっても会社の飲み会であっても、お客さんや上司の分のお酒を注ぐことは一般的ではありません。日本では「お酌」がコミュニケーションとして成り立っていますが、アメリカではセルフで注ぐかウェーターが注ぐのが一般的です。

 

8.大声で店員さんを呼ぶ

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日本で注文を頼む時「すいませんー!」と大きな声で呼ぶ人が多いと思います。しかし、アメリカではアイコンタクトで注文をするのが一般的です。店員も常に気配りをしているため、直ぐに気がついて注文を取りに来てくれます。そのため、手を上げる必要もありません。

 

9.100%でないと「YES」と決断をしない

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日本では、決断をすぐにせずに「一旦持ち帰る」という選択肢を取りがちですが、アメリカでは実現可能性が60~70%でもあれば、その場でYESと決断することが多いです。「とりあえずやってみる」という考えの元、決定しそこからどうすれば実現できるかを考えます。その点、日本に比べればやや「ノリ重視」なところはあるかもしれません。

 

10.仕事終わりの飲み会で仕事の愚痴をこぼす

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向こうでは、飲み会の最中もダラダラと仕事の話をすることがないようです。日本は、仕事とプライベートをあまり分けないことが多いですが、アメリカでは明確に線引きを行っている人が多いです。例えば、飲み会でもし仕事の話をする場合でも最初の1時間だけなど決めて後は各々のプライベートの話をすることが多いようです。

また、日本では仕事終わりに飲み会をするとなればスーツの格好で参加します。しかし、アメリカでは一旦私服に着替えて飲み会に参加することも少なくありません。

 

11.飲み過ぎで外でつぶれる

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日本では、繁華街の歩道や駅でつぶれて寝ている人をよく見かけますが、アメリカではマナー違反として見られます。「お酒に飲まれてしまうほど自己管理ができない人=仕事ができない人」という印象を持たれてしまうのです。

また、アメリカでは飲酒に大しての取り締まりも厳しく警察に見つかるとそのまま連行されることもあるので注意しましょう。それ以前に、日本と比べると治安が悪くひったくりやスリに会う危険性もあるので、節度を持った飲み方をしましょう。

 

12.知らない人の目の前を無言で横切る

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日本では、通勤ラッシュは当たり前の光景で人にぶつかるのも日常茶飯事であり、ちょっと当たったくらいで毎回謝ることはありません。しかし、アメリカでは車社会のため通勤ラッシュというものがありません。人にぶつかる時はもちろん目の前を横切るときは「Excuse me」と一言告げるのが一般的です。

 

13.飲み会に遅れて参加する

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アメリカは日本と違って、仕事より家庭やプライベートの生活を重視する傾向にあります。残業は日本では当たり前という認識がありますが、アメリカでは週末や祝日前は残業せずに定時に帰宅する人が多いです。

そのため、仕事終わり(アフター5)の飲み会に「仕事が忙しくて」という理由で遅れるのはあまり良い印象を持たれません。「時間管理能力」を重視されるアメリカでは飲み会での遅刻にもシビアなのです。

 

14.時間に間に合うためにホームや道路を走る

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日本のラッシュ時ではよく見られる光景ですが、アメリカでこの行動は奇妙と思われてしまうので気をつけましょう。ひったくりと勘違いされて白い目で見られることはもちろん、「時間にだらしない人」という印象を持たれてしまいます。アメリカは「自由の国」という印象がありますが、時間についてはものすごくシビアです。

 

15.しきたり・定型文を守り、ビジネスメールを作成する

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アメリカのビジネスメールでは定型文というものは存在しません、いかに伝えたい内容を的確に簡潔に伝えることができるかが重要です。メールに無駄な時間をかけることが良しとされません。日本で重視されがちな敬称や敬語などは不要です。いかに、迅速にコミュニケーションをとれるかが重視されます。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。おそらく、日頃正しいと思って無意識に行っていたビジネスマナーばかりだったのではないでしょうか。しかし、これらの常識はアメリカにおいてはマナー違反となってしまう可能性があるのです。

海外で仕事をする上で大切なのは、今まで培ってきた常識を見直してみること。「郷に入っては郷に従え」ということわざがある通り、その土地の風習・慣習に従うことが重要なのです。