英語の学習法の中には、海外アーティストが歌う洋楽を使って英語を学ぶという方法があります。好きな洋楽を楽しみながら、正しい発音を身に付け、リスニング力を高めることができるので、勉強に苦手意識がある人や長続きしにくい人におすすめの方法です。 洋楽を利用して英語を勉強するメリットや具体的な方法、日本人にもおなじみで勉強におすすめの楽曲をご紹介します。
||目次||
洋楽で英語を学ぶメリットと注意点
洋楽は立派な英語学習の教材になります。ここでは、洋楽で英語を学ぶメリットや、勉強する際の注意点についてお伝えします。
●洋楽は英語の勉強に役立つ
洋楽では、メロディーに乗せてネイティブの発音を学ぶことができます。正しい発音や英文の強弱・リズムなどがわかり、リスニング力が身に付きます。また、歌詞を通じて英語の表現や単語を覚えることができるため、語彙力のアップにもつながります。
●洋楽で勉強するメリット
良い点としては、「楽しみながら勉強できる」ということが挙げられます。 英文や英単語を読み上げるCDなどの英語教材とは異なり、洋楽ではポップスやロック、バラードなど、さまざまなジャンルの音楽を通じて英語を学ぶことができます。好きな音楽であれば英語が頭に入りやすく、繰り返し聞くのも苦痛になりません。何度も聞くことによって耳が英語に慣れていき、表現や単語を覚えられます。 さらに、聞くだけではなく実際に歌うことで正しい発音が身に付くなど、アウトプットの練習にもなります。
●洋楽で勉強する際の注意点
洋楽の歌詞の中には、大げさな表現やスラングなど日常会話であまり使われない表現が含まれていることもあります。また、必ずしも正確な表現が使われているわけではなく、あえて単語が省略されている場合もあるため、「文法の基礎を学びたい」という人には、洋楽を使った勉強法はあまり向いていません。
洋楽だけを使って英語を学ぼうとするのではなく、発音やリスニング力をアップさせたり、単語や英文を覚えたりするために「楽しく勉強する方法の一つ」として考えると良いでしょう。
洋楽で勉強するときのポイント
ただ洋楽を聞いているだけ、英語の歌詞を眺めているだけでは、英語力はアップしません。洋楽で英語を勉強するときには、選び方や聞き方にコツがあります。
●曲の選び方
洋楽で英語を勉強する場合は、自分が好きな歌手や曲を選ぶことをおすすめします。興味のない曲を聞いても歌詞が覚えづらかったり、長続きしなかったりするなど、効果があまり見込めないからです。
あまり洋楽に詳しくないという人は、昔の名曲や、映画やテレビコマーシャルなどで使われていてよく聞く曲、はやりのヒット曲などから探してみると良いでしょう。 歌詞に日常表現が多い曲や、発音のなまりが少ない曲を選ぶのもポイントです。聞き取りやすく覚えやすい曲からスタートすると、学習に取り組みやすくなります。
●聞き方のコツ
英語学習に使う曲を用意したら、最初は歌詞を見ずに聞きます。曲を聞きながら自然と英語のフレーズが頭に思い浮かぶようになってきたら、英語の歌詞と照らし合わせつつ曲を聞きます。次に、和訳の歌詞を見たり、わからない単語を辞書で調べたりして、歌詞の意味を理解します。
その後は歌詞を見ながら音源に合わせて歌い、実際に声に出して英語を覚えます。自宅以外にカラオケなどで練習するのも良いでしょう。
初心者も聞き取りやすいアーティスト
英語学習を始めたばかりの人には、洋楽の歌詞を聞き取るのが難しい場合もあるでしょう。初心者の人には、聞き取りやすく歌詞のわかりやすい曲が学習に向いています。初心者におすすめのアーティストと楽曲をご紹介します。
● The BEATLES
年代を問わず知られているイギリス出身の有名バンドThe BEATLESの曲は、単純でわかりやすい歌詞が多い点が魅力です。 The BEATLESの曲で英語を学習する場合は、例えば『Love Me Do』のように同じフレーズや単語が繰り返し出てくる曲より、ある程度歌詞が文章になっている曲を選んだほうが効果的です。
おすすめの曲の一つは、『All My Loving』です。離れてしまった恋人への愛の気持ちが、中学生でもわかるレベルの英単語で歌われているため、発音やリスニングの練習にぴったりです。 もう一つ、『And I Love Her』もおすすめです。ゆったりとしたメロディーに乗せて、恋人への思いを歌っています。『All My Loving』と同じく、難しくない単語や表現が歌詞になっているため、初心者でも学習に取り組みやすいでしょう。
● CARPENTERS
アメリカ出身のきょうだいデュオCARPENTERSの曲も、初心者の英語学習におすすめです。日本のテレビコマーシャルにも使われていて、なじみのある曲が多いことはもちろん、女性ボーカルのカレン・カーペンターの発音がきれいで聞き取りやすいため、正しい発音を身に付けるのに向いています。
おすすめの曲は、CARPENTERS初めてのヒット曲でもある『Close To You』です。恋する女性の気持ちを歌った曲で、歌詞に登場する単語は難しくないものばかりです。英語の聞き取りに慣れていない人でもしっかりと聞き取れる、ゆっくりとしたスピードの曲なので、初心者に向いています。 舞い上がるような恋の気持ちを歌った『Top Of The World』も、わかりやすい単語が多く、おすすめです。恋人と過ごした過去の日々を思い出して寂しい気持ちをつづっている『Yesterday Once More』も、ゆったりとした曲調で歌いやすく、発音の練習に向いています。
英語学習に役立つ!おすすめの洋楽
なつかしの名曲ばかりではなく、現在人気がある海外アーティストの曲にも、英語学習に役立つものがあります。昔の洋楽をあまり知らない人でも、最近話題になっている海外アーティストの曲なら、「歌詞やメロディーを知っている」ということがあるのではないでしょうか。 ここでは、日本でも人気が高く、勉強にも最適なアーティストの曲をご紹介します。自分の好きな歌手や曲を見つけて、英語学習に役立ててみてください。
● Taylor Swift
アメリカ出身のシンガーソングライター、Taylor Swiftの曲の多くは、彼女自身の実体験を元に恋愛にまつわる等身大の若い女性の気持ちを歌っています。特に女性は歌詞に感情移入がしやすく、フレーズを覚えやすいでしょう。
おすすめの曲の一つは、片思いの女性の気持ちを歌った『You Belong With Me』です。歌いやすいスピードなので、歌詞を見ながら歌って練習するのに向いています。 日本で放送されていた人気テレビ番組の主題歌としても知られている『We Are Never Ever Getting Back Together』は、別れたりヨリを戻したり……を繰り返した恋人と、「もう二度とヨリを戻さない」と決意した気持ちが歌われています。ややテンポは速いものの、聞き取りにくいフレーズが少なく、歌いやすい曲です。
● Avril Lavigne
カナダ出身のロック歌手であるAvril Lavigneの曲はヒットが多く、全米で1位を獲得した『Girlfriend』は日本でも大ヒットしました。Avril Lavigneの曲は発音が聞き取りやすいので、リスニングや発音の練習に向いています。
『Sk8er Boi』は短めのフレーズでつづられているので、覚えて練習しやすい曲です。同じくアップテンポの『Girlfriend』も、発音の練習に向いているでしょう。
「テンポの速い曲は難しい」という人は、スローテンポな『Tomorrow』『Wish You Were Here』が聞き取りやすく、歌いやすいのでおすすめです。
● P!nk
2000年にデビューし、グラミー賞3冠に輝いたシンガーソングライターであるP!nkの曲は、歌詞がわかりやすいのが特徴です。 日本のドラマの劇中でも使用された『F**kin' Perfect』は、「完璧じゃない」と悩む人を励ますメッセージを歌っている曲です。男性ボーカルのネイト・ルイスとデュエットしている『Just Give Me A Reason』は、すれ違う恋人同士の切ない気持ちが歌われています。この2曲はテンポが速すぎず、単語同士がつながっていて聞き取りづらい部分も繰り返し聞くことでわかるようになり、発音の練習もしやすいでしょう。
スローテンポな曲ではなく、ポップな曲でリスニングや発音の練習をしたいという人は、『So What』や『Raise Your Glass』などがおすすめです。
● One Direction
2011年にデビューし、世界中で人気を博している男性バンド、One Directionの曲でも英語を学ぶことができます。例えば、好きな女性への想いを歌った『What Makes You Beautiful』は、歌詞に登場する単語や英文の難易度があまり高くないため、初心者にもおすすめの曲です。
日本でもよく知られている『Story of My Life』には、長めのフレーズがいくつか登場します。全体的に使われている単語は難しくないので、表現を学ぶのに良いでしょう。
● Daniel Powter
カナダ出身のミュージシャン、Daniel Powterのファーストシングル『Bad Day』は応援歌として世界中で大ヒットしました。難しい単語がなく、ゆったりとしたテンポで聞き取りやすい曲です。声に出してアウトプットするのにも向いています。『Bad Day』が歌えるようになってきたら、『Free Loop』という曲も、同様に聞き取りやすく歌いやすいテンポなので、おすすめです。
● Justin Timberlake
アメリカ出身の男性シンガーソングライターで、グラミー賞やエミー賞など数多く受賞しているJustin Timberlakeの曲は、『Can't Stop The Feeling!』のようなダンスミュージックから、『Mirrors』のような落ちついた曲まで、幅広いジャンルの曲が魅力です。
約8分もの長さがある『Mirrors』は一曲でしっかり英語学習に取り組みたいという人にぴったりです。歌詞に「’Cause」や「somethin’」などの口語体が出てきます。
好きな洋楽で、楽しく本場の英語を覚えよう!
英語を学ぶ方法は、英会話教室やテキストなどだけではありません。洋楽なら、メロディーに乗せて単語やネイティブの発音を聞けるため、楽しく学習ができます。電車などの移動中に曲を聞いたり、カラオケで歌ったり、スマホやパソコンからミュージックビデオやライブ映像を見るなど、さまざまな手段で取り組むことができるのも、洋楽を使った英語学習のメリットです。
英語に対して苦手意識のある人は、まず洋楽のメロディーを楽しむことから始めてみると良いかもしれません。次第に歌詞に意識がいくようになり、表現や英単語を身に付けていくことで、英語に対する苦手意識が和らいでいくでしょう。また、「もっと英語を学びたい!」という意欲が湧いてくるはずです。 今回ご紹介した方法や楽曲を参考に、今日からでも気軽に始めてみてください。