資格試験やダイエット、あるいは会社で所属している部署の売り上げ数値など、生活のあらゆるシーンで目標を立てる機会があります。「できたらいいなぁ」という個人的な軽い目標や、「必ずやり遂げる!」と決意みなぎる目標、仕事上の数値設定目標など、ひとくくりに「目標」といってもさまざまです。もし英語で目標を立てるとしたら、どのように表現すれば良いのでしょうか。
微妙なニュアンスをイメージ通りに伝えるため、表現を使い分けられるように、まずは違いを知りましょう。ここでは、個人的なことからビジネスシーンまで、幅広い状況で使える「目標を立てるときの表現」をご紹介します。
||目次||
1. 「目標」を意味する英単語
「目標」を意味する英単語
まずは、目標のスケールの大きさや種類、使う状況などに応じてふさわしい単語を選べるように、ニュアンスの違いを理解しましょう。
●単語選びのポイント
目標を表す単語は「goal」「objective」「aim」など、さまざまです。ビジネスシーンによく使うもの、友達との会話によく使うものなど、言葉の持つイメージとトーンをつかんでおくと、場面に応じてふさわしい単語やフレーズを選択することができます。
「個人的な目標を熱く語るか」「仕事上の目標設定をドライに取り決めるか」などが着目するポイントです。
また、「目標」という日本語そのものを広い範囲で捉え、「目的」「現実的に可能な到達ライン」「狙うための基準」「標的」など、関連する表現を思い浮かべれば、単語選びもスムーズに進むでしょう。
●目標を表すさまざまな単語
・goal
勉強においての最終目標、人生の目標、野心など、文字通り日本語の「ゴール」のイメージに近い、最終目標を表現するときに用います。
「to reach one’s goal」(ゴールに達する)、「goal setting」(ゴール設定)などと使います。
・objective
仕事上や行政上の目標に使います。ダイエットで痩せるなどの個人レベルではなく、規模の大きい目標設定のために使う、少し堅苦しい表現です。
「sales objective」(売り上げ目標)、「objectives for the negotiations」(交渉目標)などと使います。
・aim
資格試験の点数など個人的な勉強や、コスト削減など仕事上の目標に使えます。「aim」はもともと「狙う」という意味なので、目標に向けて頑張るイメージがあり、過程も大切にするニュアンスがあります。
「to aim at the victory」(勝利を目指す)、「to aim at reducing cost」(コスト削減を狙う)などと使います。
・purpose
一般的な意味での「目標」「目的」を表し、広範囲で使える便利な単語です。達成を前提としているため、現実的な目標に用いられる単語で、日常会話にも使いやすいです。
「purpose of the day」(日々の達成目標)、「purpose of this session」(セッションの達成目標)などと使います。
・intention
「意向」「意図」「目的」「目標」などの意味を持ち、目標に込めた思いを強調したいときにも使われる単語です。
「one’s intention」(~の志)、「intension to succeed」(成功目標)などと使います。
・target
具体例を挙げるときに使います。「target」はもともと「標的」という意味なので、狙いを定めるイメージです。
「target area」(目標地域)、「target amount」(目標数値)などと使います。
目標を立てるときに使えるフレーズ
一つ一つの言葉のイメージがつかめたら、状況に合った言葉を使って目標を設定してみましょう。「目標を尋ねるとき」と「目標について語るとき」に使えるフレーズをご紹介します。
●目標を尋ねるとき
たとえば、TOEICの試験を控えている友人に、何点を目標にしているのか尋ねる場面を想像してください。表現したいニュアンスによって、選ぶフレーズが異なります。
・What score do you want on TOEIC next time?
(今度のTOEICは何点取りたいの?)
・What score are you aiming at for next TOEIC?
(次のTOEICでは何点を狙ってるの?)
・What score is your goal on TOEIC?
(TOEICでの最終目標は何点なの?)
難しく考えず「何点取りたいの?」と、簡単に聞く場合は「want」(欲する)を使います。
もし「狙っている」というニュアンスを出したい場合は、「aim」(狙う)です。
最終的なスコア目標を聞きたい場合は、「goal」(ゴール)を使って尋ねましょう。
●目標について語るとき
目標設定について語るとき、必ずしも「目標」という言葉を使う必要はありません。「決意した」「決断した」「計画した」などの動詞を使って表現しましょう。
・I decided to lose 3kg by the end of this month.
(今月末までに3キログラム痩せると決めたわ)
「decide」を用いて決意を語る場合は、軽い話題も扱うことができます。幅広い話題に対応できるため、初心者にも使いやすい語彙です。
・I determined to get high reputation with next presentation.
(今度のプレゼンで高評価を得られるように頑張ると決めました)
仕事や学業など、少し真面目な話題を扱うときは「determined」を用いて決意を発表しましょう。
・I resolved never to go to an amusement park until I finish the entrance exam.
(受験が終わるまで遊園地には行かないと決めました)
「resolve」を使えば決意そのものはもちろん、それをやり遂げる強い意志を表明することができます。
・My new year’s resolution is running every morning.
(新年の抱負は毎朝のランニングです)
「resolve」の派生語で、名詞の「resolution」は「抱負」という意味です。決意を表明するイメージで使います。
・I will pass the test! I don’t read comic books anymore! I’ve already made up my mind!
(絶対合格する!もう漫画は読まない!そう決めた!)
「make up one’s mind」(決意する)は「decide」と同じようなニュアンスですが、会話をするときによく使われるカジュアルな表現です。
・I will go abroad, hopefully to New York!
(留学に行くと決めました!できればぜひニューヨークへ)
この「will」は単純未来ではなく、強い意志を表します。「決める」という単語そのものを使わなくても、決意を表すことができる例です。
・I decided never to smoke again!
(もう二度とたばこを吸わないと決めた!)
「I decided to stop smoking.」(たばこを吸うのはやめると決めた)よりも強い意志を表すなら、「never」を使って否定感を強調しましょう。
・I will lose 3kg by summer.
(夏までに3キログラム痩せるぞ!)
「I want to lose 3kg.」(3キログラム痩せたい)ならただの希望ですが、強い意志を表す「will」を使えば、後に引けなくなります。
・I’m planning to save 20,000 yen a month constantly.
(月2万円ずつコツコツ貯めるつもりです).
浮ついた決意ではなく、落ち着いたニュアンスを出したいときは「plan」(計画する)も使えます。「save ~ yen a month」で「月~円貯める」という表現です。
ビジネスシーンで使えるフレーズ
ビジネスシーンではバリエーションを豊かにするよりも、正式な表現を正しく知っておくことのほうが重要なので、よりすぐりの表現を丸暗記してしまうのがおすすめです。
●企業の目標は「we」を使う
企業やチームで目標を述べるときは「We ~」で始めます。会社、部署、グループなど、どの規模の目標も同じように表現することが可能です。
また、ビジネスシーンでの目標は明確にしたほうが良いでしょうから、努力の度合いや達成感などのニュアンスを盛り込むことなく、達成すべき数量・時間・期間などをシンプルに言い切ります。
・We will achieve more efficient sales by term end, 5 each on a daily basis.
(我々は今期末までに、より効率的な販売を成し遂げます。各々、日に5台です)
・We aim to please every single guest.
(私たちは全てのお客さまを笑顔にすることを目指します)
・We set the sales goal for this coming quarter.
(来たる四半期の営業目標を設定しました)
1文目にある「achieve」(達成する)はビジネスシーンで便利に使える必須の単語です。2文目の「aim」(狙う)には標的を狙う意味合いがありますから、かなり具体的な内容に絞り込み、「狙いを定める」イメージです。
売り上げ目標の場合は目標というよりも達成すべきゴールなので、3文目のように「the sales goal」と表現しましょう。
●目標を達成したときのフレーズ
・We achieved 30% reduction of chemical use.
(化学物質の3割削減を達成しました)
・We successfully achieved steady increase of our production.
(商品の順調な生産量増加を成し遂げました)
ビジネスにおける数値目標は「達成して当然」という側面も持つ場合もあるので、ドライに達成を表現できる「achieve」が適しています。ちなみに、「achieve」の派生語で「achievement」(達成)という名詞を使った例は、以下のようなものがあります。
・Our selling point is the keen powers of observation aimed at the achievement for targets.
(目標達成に焦点を当てた鋭い観察力が私たちの強みです)
・Attached is the achievement manual.
(添付は目標達成マニュアルです)
目標の大きさや過程の大切さがポイント
目標設定を行う場合は、その状況や目標の大きさなどによって言葉を使い分けると、臨場感のある英文を作ることができます。
例えば個人的な目標なら「decide to」を用いた決意表明が最適ですし、会話でやる気を伝えるなら「I made up my mind」を使い、結果より過程を重視するニュアンスで表現しましょう。また、ビジネスシーンなら「achieve」や「goal」を使えば確実さをアピールできます。うまく言葉を使い分けて、英語で目標を立ててみましょう。