長期留学、短期留学ともにメリットがありますが、英語力をしっかり身に付けたいなら長期留学が断然おすすめです。費用面や手軽さという点では、短期留学も魅力的ですが、肝心の英語力という点については中途半端な状態で帰国するケースが少なくありません。その点、長期留学なら英語のシャワーを24時間浴びられる環境に長く滞在できる分、英語力を効率的に高められるでしょう。
今回は長期留学を検討している人を対象に、長期留学のメリットや準備方法、留学におすすめの国などをご紹介します。
【目次】
1. 長期留学と短期留学の違い
2. 長期留学におすすめの国
4. 長期留学の持ち物
長期留学と短期留学の違い
長期留学と短期留学、「一体、どこからが長期なの?」と疑問に思う人もいるでしょう。そこで、両者の違いとそれぞれのメリットをお伝えします。
長期留学と短期留学の違い
何をもって「長期」であり、「短期」なのか、その基準は明確には決められていません。一般的には、学生ビザが不要な3カ月以内の留学が短期留学、3カ月以上で学生ビザを利用した留学が長期留学と呼ばれます。ただし、ビザの規定は留学先の国によって違います。3カ月以内だから必ずしも不要とは限らないので、ビザに関しては必ず事前に確認しましょう。
私たちカプランでは、長期留学として5カ月、6カ月、8カ月のアカデミックセメスター・アカデミックイヤーコースがあります。(アカデミックセメスター・アカデミックイヤーコースについては、ブログ記事:カプランの長期留学におすすめのコースでも紹介しています。)
長期留学をするメリットとは?
●短期留学よりも英語が上達する
長期留学は短期留学よりも英語が上達しやすい点が最大のメリットです。学校だけでなく日常生活でも英語でコミュニケーションをとらないと生きていけませんので、日本人の友達とばかり過ごしていない限り、頭の中が英語づけになり、英語が自然と身に付いてきます。
また、ホームステイで長期滞在する場合は、ホストファミリーとの生活の中で教科書では学べない生きた表現に毎日接することができる点も魅力です。初めはホストファミリーの会話が理解できなくても、長期間一緒に暮らしているうちに自分も会話に参加できるようになり、英語力の向上を実感できるでしょう。
●就職や転職時のアピールポイントになる
留学自体は今や珍しいことではありませんが、それでもビジネスシーンで使える英語力は就職や転職時において大きなアピールポイントになります。履歴書に長期留学の経験が書かれていて、TOEICなどの試験でハイスコアを獲得していれば、採用側も興味を持つことでしょう。
また、英語のスキルだけでなく、留学時の経験自体を面接でアピールすることも可能です。留学はある意味、非日常的な環境に身を置くことになります。「どんな努力や工夫をしたか」「困難をどう乗り越えたか」「異文化の対人関係においてどう成長したか」といったエピソードをうまく伝えられれば、面接官の評価を上げることにつながるでしょう。そうした点については、長期留学だからこそ説得力を持って語ることができます。
●現地の大学進学を目指せる
高度の英語力を習得すれば、現地の大学進学を目指すことができます。私立の英会話学校から現地の大学を目指す場合は、学校の授業とは別に大学進学用の勉強をする必要があります。逆に、現地の大学に進学してからも、英語によるコミュニケーションに自信がなくて、大学とは別に英会話学校に通う学生もいます。
ちなみにカプランでは、海外にある大学への出願をサポートするサービス、University Placement Service (UPS)と呼ばれるものがあります。カプランと提携する150以上の大学の中から自分に合う学校選びから、出願手続きまでお手伝いするサービスです。
●友人ができる
短期留学の場合、せっかく外国の友人と知り合いになれても、関係が深まる時期に入ったときにはもう帰国しなくてはならない、というもったいない状況がなりがちです。
一方、長期留学ではクラスメイトやホストファミリーと打ち解けていくための時間的余裕があります。長い間一緒に過ごした人と帰国後も良い関係が続くケースは少なくありません。
●旅行ができる
短期留学の場合、英語の取得に必死でなかなか旅行のことまで考える余裕がありません。一方、長期留学中であれば、学校のアクティビティに積極的に参加したり、季節や天候に合わせて自分で予定を立て、少し遠出をすることも可能です。長期留学で上達した英語を使うことで、さらに有意義な旅にすることができるでしょう。
短期留学をするメリットとは?
●学生は長期休暇を利用できる
学生の場合、短期留学なら春休みや夏休みなど長期休暇を利用して気軽に行けるので、現在通っている学校を休学する必要はありません。
●社会人でも行きやすい
3連休やゴールデンウイーク・お盆や正月休みに有給休暇を加えれば、社会人でも短期留学が可能です。旅行気分を楽しみながら英語の勉強をすることで、日頃のリフレッシュとスキルアップが同時にできて一石二鳥です。
●長期留学よりも費用を抑えられる
総額で考えれば、長期留学は経済的負担が多くなってしまいます。短期留学の場合は予算に合わせて、無理のないプランで英語を学ぶことが可能です。
長期留学はこんな人におすすめ!
●本格的に英語力をアップしたい人
英語力をアップさせるには、毎日コツコツ勉強することが大切です。長期留学なら学校だけでなく、日常生活においても24時間英語のシャワーを浴びられる環境に継続的に身を置けるため、本人が努力すれば、滞在日数の長さにほぼ正比例する形で英語力を向上させることができます。
●留学期間(休み)と費用面がクリアできる人
英語が話せるようになりたいと強く願っている人で、休みと費用面がクリアできるのであれば、ぜひ長期留学を検討してみましょう。短期留学で本格的な英語力を身に付けるためには、短期留学を何回も繰り返したり、帰国後もモチベーション高く勉強し続けないとどんどん忘れていき、せっかくの費用が無駄になってしまうおそれもあります。
●海外の大学進学を考えている人
海外の大学進学を考えている人は、長期留学で語学学校に通うなどして大学受験に必要な英語力のレベルをクリアしましょう。短期留学だけで英語圏にある大学レベルの英語力を身に付けるには相当な努力が必要で、効率的ではありません。
●英語を使う仕事に就きたい人
ビジネスレベルの英語力を身に付けるには、長期留学がおすすめです。長期留学なら日本では学ぶことのできない英語圏のビジネスマナーも一緒に学ぶことが可能です。ビジネス英語に特化したコースを選ぶなどして、英語を使った交渉力やプレゼンテーション能力を高め、英語圏のビジネス習慣を学びましょう。
長期留学におすすめの国
定番から穴場まで長期留学におすすめの6カ国をご紹介します。各国の特徴をチェックして自分に向いている留学先を選びましょう。
アメリカ
●日本に輸入されるハリウッド映画やテレビドラマの多くはアメリカ英語。アメリカ英語を学びながら、ビジネス、ファッション、音楽、スポーツなどさまざまな分野におけるアメリカの魅力を楽しめます。
●世界でトップレベルの大学が多数存在することがアメリカの国力を支えているといえます。有名校は難易度が高めですが、それだけに卒業すると、就職や転職の際、有利です。また、英語力を身に付けて一定の基準を満たせば編入への道も開けます。
●アメリカは広大な面積を誇り、州や都市によって特徴もさまざまです。ニューヨークやロサンゼルスといった華やかな都会もあれば、ポートランドやサンタバーバラのような自然あふれるゆったりとした都市もあり、留学先の選択肢が多彩です。
カプランは、ニューヨークをはじめボストンやシカゴ、ポートランド、ロサンゼルスなどアメリカの主要13都市に18校の語学学校を持っています。大学のキャンパス内に併設された校舎もあるので、アメリカの大学生活を見てみたい人にもおすすめです。
イギリス
●イギリスの公共放送局BBCのキャスターが使っていることで有名な「クイーンズイングリッシュ」は、一般的にアメリカ英語より日本人には聞きやすいといわれています。正統派のイギリス英語を学びたい人にはピッタリです。
●英語を学びつつ、イギリスの文化や歴史に触れることができます。留学中にヨーロッパ各国の友人ができたり、ヨーロッパの各都市に足を延ばすことも容易なため、多様な文化に接することができます。
●教育機関の質の高さが有名で、留学生の受け入れにも積極的です。
カプランの長期留学コースには1~3週間の休暇(留学時期と期間によって違います)があります。この休暇を利用して、イギリス国内を旅行したり、ヨーロッパの近隣諸国への小旅行などが出来ます。
オーストラリア
●過ごしやすい気候と治安の良さがポイントで、長期留学にもとても過ごしやすい国です。
●留学生の受け入れや保護に関して政府が積極的に法律を整備しています。
●ワーキングホリデービザが充実しているので、働きながら学ぶことができます。
●アメリカやヨーロッパと比較して費用面を安く抑えることが可能です。
カプランの長期留学コース(5、6カ月のアカデミックセメスター)は、ほぼ毎月コースの開始日を設けているので、希望に合わせてコースを開始することが出来ます。オーストラリアのように南半球にある留学先なら日本とは違った四季を味わうことができるので、12月を半袖で過ごしたり、8月にスキーをしたりと南半球ならではの体験が出来ます。
ニュージーランド
●治安の良さ、程よい大きさの街並みなど環境面に秀でているほか、おおらかで人懐っこい国民性のため、過ごしやすく女性にもおすすめです。
●比較的少人数で、アットホームな学校が多く、馴染みやすくて留学生に優しい国といわれています。
●都会の誘惑が少なく、英語を集中して学べる環境が整っています。
ニュージーランドの最大都市オークランドにあるカプランの語学学校なら、現地で就労体験ができるワーク&スタディコースがあります。現地で働くのに困らないよう、英語を基礎からしっかり学びながら面接や履歴書の書き方サポートもするので、海外で働いてみたいと思っている人にはお勧めです。
カナダ
●バンクーバーやトロントなど適度な大きさの都会に数多くの大学や語学学校があります。週末や長期休みにはカナダの大自然を満喫したり、国境を越えてアメリカまで足を延ばすことも可能です。
●カナダ政府は移民への語学教育に熱心で、語学留学を掲げた学校が国内に多数存在し、留学生を歓迎しています。また、学校のカリキュラムは種類が多く、自分のレベルに合わせてコースを選びやすいのが特徴です。
●アメリカの都市部に比べて物価が安くて暮らしやすい上、留学費用も比較的リーズナブルです。
●治安が良いのもメリットで、初めて海外に行く人にもおすすめです。
●バンクーバーは日本人留学生も多く、日本人向けのスーパーなどが多数あるので、便利です。
カプランは、カナダの2大都市バンクーバーとトロントに語学学校を持っています。広大な国土と自然あふれる国ならではのアウトドアアクティビティーが豊富で、スキーやハイキング、サイクリングなど都会に住みながらものびのびと過ごせるのが特徴です。
アイルランド
●フレンドリーな国民性と美しい自然が魅力的な国です。都市がコンパクトで生活しやすく、物価もそれほど高くありません。
●質の良い学校がそろっているにもかかわらず、日本人留学生の数が他国と比較するとそれほど多くありません。「日本人同士で遊んでしまい、英語の勉強に集中できないかも」と不安のある人におすすめです。
アイルランドの首都ダブリンにあるカプランの語学学校は、日本人の割合が全体の約4%!ヨーロッパをはじめ、中東や南米など世界中の国々からの留学生を受け入れているので、様々な文化に触れてみたい人にはお勧めです。
長期留学に向けて準備すること
「長期留学の準備」と聞くと、大変そうな印象がありますが、一つ一つ進めていけば決して難しくはありません。準備が整えば整うほど、不安が期待へと変わっていくことでしょう。
滞在先と語学学校の選定
渡航希望日の3カ月以上前には、留学先の語学学校を選定し、申し込み手続きを済ませましょう。並行してどこに住むのか滞在先を決めることも大切です。
ビザの取得
ビザの申請はなるべく早めに行いましょう。新学期が始まる前などビザ希望者が集中する時期には発行に時間がかかるケースもあります。
ビザの申請方法は国によって異なりますので、手続きを確認してください。個人で取得する場合は、留学を希望する大使館まで必ず確認するようにしましょう。「時間がない」「英語に自信がない」という人はビザ申請を代行してくれる会社に依頼する方法もあります。
留学保険の申し込み
留学先で事故や病気、トラブルなど不測の事態に陥ったとき、保険に入っていないと予想以上にお金がかかります。特にアメリカでは病気やケガをして、無保険のまま病院に行くと、莫大な治療費を請求されるおそれがあります。クレジットカード所有者用の旅行保険ではなく、留学する人を対象にした保険を申し込みましょう。
英語の勉強を入念に
留学初日に行われる学校のガイダンスからすべて英語で行われます。語学学校の中には日本人留学生向けに日本人スタッフを置いているところもありますが、基本的には英語でのコミュニケーションがほとんどです。そのため、「英語は留学してから勉強すればいいや」と思っていると、入り口の段階で手間取り、留学生活が嫌になるおそれも出てきます。
一方、ある程度英語の基礎を積んでおくと、留学後の上達スピードが加速します。日本にいるうちに英語をしっかり勉強しておきましょう。
荷物の準備
長期留学とはいえ、日本から持ち込む荷物はできるだけ少なくしましょう。飛行機に預けられる荷物の範囲を超えた場合は、別料金を支払うか、国際小包で発送することになります。語学学校が管理する寮やホームステイ先が受け入れられる量にも限度があります。また、荷物だけあまりに早く着いてしまうと、紛失の恐れもあります。現地で購入できるものは現地で購入するとともに、どうしても日本から持参したいものがある場合は、紛失トラブルやセキュリティー面を考慮して自分が現地に到着してから日本の家族に発送してもらうようにしましょう。
お金の準備
多額の現金を持ち歩くのはお勧めできません。持ち歩く現金は渡航先で1カ月ほど暮らせる程度にしておきましょう。その後で必要なお金については、世界各国のATMで日本の口座から現地通貨で引き出せる国際キャッシュカードを利用したり、海外でのキャッシング機能があるクレジットカードを利用したり、留学先に口座を開設できる場合は海外送金を利用するのが良いでしょう。以前はよく使われていたトラベラーズチェックは、換金などが面倒なこともあり、現在ではあまり見られません。
長期留学の持ち物
荷物を少なくするためにも現地調達するのが基本ですが、日本から持って行ったほうが良いものもあります。
持ち物選びのポイント
日用品は現地で買えるものが多いので、多少の違和感があっても現地調達するのが良いでしょう。ただし、爪切りや筆記用具、歯ブラシや生理用品などは日本製が優れている場合も多く、日本から持参する人も大勢います。持参すべきかどうか迷うものは、現地で生活しながら必要な分だけ後日家族から送ってもらうのが良いでしょう。また、最近では日本のネットショッピングで購入したものを海外まで届けてくれるサービスも登場しています。
一方、薬についてですが、処方箋薬の場合は日本から持参する必要があります。市販薬については、海外の薬は日本の薬より効き目が強いといわれています。体質に合うかどうか心配な場合は、日本から持参したほうが良いでしょう。
持ち物リスト
●貴重品
パスポート・現金・留学に必要な書類・クレジットカードなどは財布やチケットホルダー、ファイルなどにまとめていくと便利です。
●日用品
薬・メガネやコンタクト・爪切り・生理用品・歯ブラシ・耳かき・ポケットティッシュ・ボールペンなどについて日本製品にこだわりがある人は、持参すると良いでしょう。
●衣類
別送した荷物の到着が遅れた場合に備えて靴下や下着は1週間分程度を持参しましょう。また、フォーマルな服は、現地調達すると高い出費になることがあります。
●電子機器
パソコンやカメラ、スマホ、電子辞書などは、日本からの持ち込みが一般的です。海外で使えるか事前に確認した上で持参しましょう。
詳しい持ち物リストは、海外留学で必要な持ち物リスト完全版!準備のポイントをおさらい!を参考にしてください。
英語力だけじゃない!メリットが大きい長期留学の魅力
長期留学には、英語力の向上だけでなく、日本では得られなかった体験をしたり、グローバルな視点を身に付けたりしやすいというメリットがあります。確かに日本を長く留守にする分、学校を休学したり、日本の情報に後れを取ったりするといったデメリットもありますが、長期的な視点で見ると、それを大きく上回る貴重な経験を得られるでしょう。
「本当に使える英語を身に付けたい」「海外の大学に行きたい」「海外で働きたい」という希望を持っている人は、長期留学が一番の近道です。勇気を持って第一歩を踏み出してください。