「英会話を習いたいけれど、スクールに通っている時間はない」「海外留学前に英会話のスキルをあげておきたい」など、英会話を独学で勉強したいという人は多いのではないでしょうか?ただ、いざ勉強を始めようと思っても、どんな教材を使えば良いのか、迷ってしまいますよね。そこで今回は、英会話を独学で勉強する際に効果的な学習方法とおすすめの教材をご紹介します。
「リスニング」の勉強法とおすすめの教材・アプリ
そもそも会話というものは、相手の言っていることが分からなければ成り立ちません。つまり英会話のスキルを上げるためには、まずインプット、すなわちリスニングの勉強が欠かせないということです。
1つ目の重要なポイントは、同じ教材(CD)を覚えるくらいまで繰り返し聴くことです。それでは応用が効かないのでは、と思うかもしれませんが、英語で使用される表現にはパターンがあり、繰り返し聴くことで、その基本を音で覚えることができます。
2つ目のポイントは、多聴と精聴です。多聴は文字通りたくさん聴くことで、精聴は単語一つひとつを聴き漏らさないようし、意味を理解しながら繰り返し聴くトレーニングです。この2つを組み合わせて毎日英語を聴くようにすると、よく使われるフレーズの基本パターンと、それを応用できる感覚が身に付きます。
3つ目のポイントは、耳から入る英語を頭の中で日本語訳せず、英語のまま理解するように意識することです。会話はテンポが重要ですから、頭の中でそのつど和訳する時間をなくせば、スムーズに話せるようになります。
以上のポイントを押さえた上で、代表的なリスニング教材をご紹介します。
参考書
●『1000時間ヒアリングマラソン』
この教材のおすすめポイントは1000時間という明確な目標が設定されているところです。決められた目標があることでモチベーションが維持されます。毎月決まった量の教材が送られてくるため、スケジュールの管理がしやすい点もメリット。テキストに沿って、楽しく1000時間勉強することができます。
●『英語耳』
「単語と単語の境目が分からない」「似たような発音の単語が聴き分けられない」という人におすすめの教材が『英語耳』です。発音に特化しており、日本人のウィークポイントを重点的に解説しています。自分の苦手な発音を効率的に学習できる点が魅力です。
●『DUO』
大学受験勉強用の単語帳としてお馴染みの『DUO』ですが、別売りでCDも販売されています。『DUO』の特徴は、1つの例文に重要単語や表現が凝縮されていることと、例文がストーリー展開されていること。1つの例文を覚えるたびに、みるみる表現の幅が広がっていくことを実感できるでしょう。ユニークなストーリー設定になっているため、飽きずに続けられます。
アプリ
本を広げてじっくり英語を学ぶ時間がないという人には、スマホで簡単に学習できるリスニングアプリがおすすめです。
●『シチュエーション英会話練習』
日常的によく使われる表現をシチュエーションごとに集めたリスニング用のアプリです。この教材には2つのメリットがあり、1つは自分の英語力に合わせて3つの難易度を選択できること。もう1つは、音声解答機能を利用してスピーキングのトレーニングにも活用できる点です。
●『TOEIC presents English Upgrader』
TOEICの運営団体が提供しているリスニングアプリです。こちらもシチュエーション別のフレーズを学べますが、「出産を控えた同僚との会話」など細かく設定されているという特徴があります。TOEICテストのリスニング対策にも活用できるので、英会話だけではなく、TOEICの受験も考えている人には一石二鳥です。
●『TEDICT』
世界最高峰の講演会「TED」のスピーチが素材の教材アプリです。まずは字幕付きで内容を確認、次に字幕を消してどれだけ内容を聴き取れるかをトレーニング、最後にキーボードによる書き取りでディクテーションを行うという流れで、正確なリスニング力アップを図りましょう。
「リーディング」はリスニングにも効果的
リスニング力のある人はリーディングにも強い傾向にありますが、それはなぜでしょうか。単語は読み方を知らなければ聴き取ることができないからです。つまり発想を逆転させれば、リーディングの勉強をすることによってリスニング力も付けられるということです。
では、リスニング向上につながる効果的なリーディングの勉強法とはどのようなものでしょうか。リーディングでも基本は多読と精読です。1回目は辞書を用いてじっくり「精読」し、単語の意味や文章の構造に意識を向けます。精読を通して内容を理解した文章は声に出して繰り返し読み、リスニング同様、英語のまま理解できるようになるレベルを目指しましょう。日本語訳で既に読んだことのある書籍の洋書を読むトレーニングも、あらかじめ内容を理解しているため効果的です。
以上のポイントを押さえ、リーディングの勉強に活用したい教材をいくつかご紹介します。
参考書・通信教材
●『スーパーエルマー』
TOEICテスト対策用としても定評のある通信教材ですが、リーディングの勉強にも十分に活用することができます。送られてくる教材セットの中には、「コア・ボキャブラリー」という英語の表現に欠かせない語彙が豊富に載っています。コア・ボキャブラリーを精読・多読・音読することで、リスニング力を鍛えるためのリーディング力を養いましょう。
●『ボキャビルマラソン』
語彙力を付けるために、暗記しやすくする工夫が施されている通信教材です。工夫の1つは「2way学習」です。名詞など単体で覚えられる単語はリズムよくまとめて覚えます。動詞など文中での使い方が重要な単語はダイアローグの中で覚えます。もう1つの工夫は「スパイラル学習」。1度覚えた単語も忘れそうなタイミングで再度出てくるよう、配慮されています。
●『イングリッシュ・アドベンチャー』
レベルが細かく分けられている点が特徴。通信教材特有の途中放棄を防ぐため、面白く分かりやすい内容になっています。教材の内容はストーリー形式で、先に進まなければ物語の核心がよく分からないような構成になっています。
アプリ
●『POLYGLOTS』
POLYGLOTS(ポリグロッツ)は、世界中のさまざまなニュースを集めたアプリです。BBCやCNNなどのニュースサイトは、内容が難しく1つの記事をなかなか読み切ることができないと言われていますが、POLYGLOTSには単語をタップすると意味を表示してくれる辞書機能が付いています。いちいち辞書で調べるストレスなく、記事を読み進められます。リスニング機能も付いているため、1度読んだニュース記事でリスニングトレーニングをすることも可能です。
●『ニュースで英会話』
NHKがラジオ配信している「ニュースで英会話」をまとめたサイトです。ラジオでは実際のニュースを使って聴き取りや発音のコツを解説していますが、サイト上ではそれに加え、和訳やスクリプトを見ることができます。解説やポイントとなる単語に和訳の説明がついているなど機能面も充実しています。
●『Kindle』
Amazonが配信する有名な電子書籍アプリです。紙の本よりも安く大量の洋書を読むことができる点が大きな魅力でしょう。また、チャプターごとに読書スピードを計測する機能が付いているため、速読を鍛えたい人にも最適です。
「スピーキング」の勉強法とおすすめの教材・アプリ
相手の話していることを聴き取るだけでなく、自分も話せるようにならなければ、会話は続きませんよね。そこでアウトプット、つまり実際に英語を口に出す練習が必要になります。
スピーキングの勉強の手順がよく分からないという人のために、その流れをご紹介しましょう。
まずは、定番の例文を暗記することから始めてください。リスニングと同様、英語の表現パターンを覚え、応用するためです。例文暗記に効果的な方法がシャドーイングです。単純に音読するのではなく、ネイティブの発音を真似て音読するのです。ネイティブによって読み上げられる英語のフレーズを、少し後から輪唱のように読んでいきます。ある程度使える表現に幅が出てきたと感じたら、実際に英語で瞬間作文する練習をしてみましょう。目の前にあるものやその日の出来事を英語で説明してみます。英語で考えるクセを付けるだけで、スピーキング力はみるみる上がります。
以上のポイントを押さえて、スピーキング上達のために効果的な教材をご紹介します。
参考書・通信教材
●『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』
例文暗記に役立つ教材です。使われているのは中学レベルの英語。言いたいことを反射的に英語で言えるようになるまで、例文を声に出しながら練習できるようになっています。「言いたいフレーズがすぐに出てこない」というもどかしい気持ちをなくしたい人におすすめです。
●『You Can Speak』
スピーキングに特化した英語学習専用のオンラインプログラムです。このプログラムの最大の特徴は、自分の好きな時間に1日15分から対人スピーキングの練習ができるという点です。また、用意されている会話のシチュエーションも豊富で、ランダムに引き当てたカードに書かれているシチュエーションで会話を繰り出していくレッスンなど、ゲーム感覚で楽しむことができます。
●『1分間英語で自分のことを話してみる』
自分のことを話すために用意されたシチュエーション別の表現集です。40もの幅広いトピックが揃っているだけでなく、「賛成」「反対」など対照的な立場におけるそれぞれの表現も収録しています。留学先でも1冊持ち歩き、困ったときに開いてみるのも良い勉強法でしょう。
アプリ
●『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』
先ほど紹介した『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』のアプリ版です。アプリでは、例文の個別管理が可能になりました。苦手な例文やなかなか覚えられない表現などにチェックを入れておけば、自分が苦手なところだけを集中的にトレーニングすることができます。
●『Real英会話』
リスニング・スピーキング・スピーキングの学習機能が搭載されたアプリです。30以上のカテゴリと1800以上のフレーズが揃っており、ネイティブが実際に使うカジュアルな口語表現を学べます。会話形式で練習できるため、楽しく学習できる点も魅力。iPhoneの「Siri」を使い発音のチェックをすることも可能です。
毎日続けることが上達への近道
すべてのトレーニングに共通して言えることは、どんなに優れた教材でも主体的に活用しなければ英会話は上達しないということです。コツコツ地道に勉強を続けることが、上達への1番の近道です。英会話の独学は手軽に始められる一方、1人で勉強し続けることに限界を感じる人もいるかもしれません。そういう方は英語しか使えない環境に身を置き、「1日でも早く英会話をマスターしなければ」という焦りを感じることも、モチベーションアップに効果的です。語学留学もぜひご検討ください。