アメリカに留学すると、多くの人がパーティーに誘われます。パーティーと聞くと身構えてしまう人もいるかもしれませんが、いくつかのポイントを押さえれば難しいことはありません。いつ誘われても大丈夫なように、パーティーの種類やマナーを知っておきましょう。
||目次||
アメリカ人はなぜパーティーが好きなのか?
日本の飲み会に音楽とドレスコードをプラスしたようなイメージで、大切な交流の場として活用されているのがアメリカのパーティーです。パーティー文化は社交好きなアメリカ人の気質から生まれたと言えるでしょう。
日本の飲み会のような位置付け
パーティーと聞くと、ドレスやタキシードなどかっちりとしたドレスコードや、祝賀会のような大規模なイベントを思い浮かべる人も多いことでしょう。アメリカにももちろんそのようなパーティーはありますが、普段着でアットホームに集まる日本の飲み会のようなものもパーティーと呼ばれます。
大きな違いは費用の負担方法
日本では多くの場合、主催者側=ホストの負担が大きくならないよう、お呼ばれした側=ゲストがパーティーの費用を払います。ところがアメリカでは、原則、ホスト側が全ての費用を負担します。ゲストはお金ではなく手土産を持参します。
アメリカのパーティーにはどんな種類がある?
アメリカで開催されるパーティーは、大きく2種類に分けることができます。学校関連のものと、個人的に誘われるものです。
学校に関わるパーティー
●卒業生を迎えるホームカミングパーティー
秋になると約1週間に渡って高校や大学で開催されるパーティーです。卒業生を交えて行われるため、母校に戻る=「ホームカミング」という名前が付いています。1番盛り上がるのはフットボールの試合とダンスイベントで、次にご紹介するプロムよりはカジュアルな「セミフォーマル」がドレスコードです。
●卒業シーズンに行われるプロムパーティー
プロムナード(舞踏会)、通称プロムと呼ばれるパーティーは、春の卒業に合わせて学校側が主催するダンスパーティーです。通常、男性はタキシード(またはスーツ)、女性は煌びやかなドレスを着て参加します。男性が女性にダンスのパートナーを申し込み、ホールでダンスを楽しみます。
●大学の社交クラブ「フラタニティ/ソロリティ」
大学にある「フラタニティ」(男性用)、「ソロリティ」(女性用)と呼ばれる団体は、週末によくパーティーを開きます。団体によって活動方針は異なるものの、表向きは会員同士の社交・社会奉仕・リーダーシップの確立などを目的とし、実際は日本の飲み会サークルのような活動を主としている団体が大半を占めます。
個人的な招待を受けるパーティー
●個人の家で開かれるホームパーティー
友人や知り合いなどが個人の家に集まるパーティーのことを指します。イースターやハロウィンなど季節のイベントや、日本の引っ越し祝いに当たる「ハウスウォーミングパーティー」、妊娠を祝う「ベビーシャワー」など、開催する目的は多岐に渡ります。ホームパーティーの中には、「ポットラックパーティー」と呼ばれるゲストが料理を持ち寄るタイプのものがあります。日本食(巻き寿司・焼きそばなど)を持っていくと喜ばれるでしょう。
●子供のバースデーパーティー
日本で子供の誕生日会と言えば、数人の友人を自宅に招いてご飯やケーキを振る舞い、ちょっとした誕生日プレゼントをもらうというのが主流ですが、アメリカのバースデーパーティーはもっと本格的です。正式な招待状を作成して配り、専用施設やスポーツ施設、動物園などの一部を貸し切って会場にします。子供が高校生になるくらいまで、親が費用を負担して派手に行います。お呼ばれした際のプレゼントの相場は日本円で約2000円程度が目安で、きちんと誕生日用にラッピングをして渡します。
●テーマパーティー
主催者が決めたテーマに沿って服装や食べ物を用意するテーマパーティーもよく開催されます。テーマによっては仮装が必要な場合もあります。気合の入った派手な衣装で参加すると、ほかの参加者から話しかけられやすくなります。
●テールゲートパーティー
スポーツの試合の観戦前に行うパーティーです。テールゲートとは車の後部ハッチのことで、試合の2時間以上前から会場周辺や駐車場にトラックやバン、キャンピングカーなどを止め、テールゲートを利用してバーベキューなどをします。
●カクテルパーティー
本格的な夕食の前に開催される立食形式のパーティーで、集まった人は軽く食べたり飲んだりしながら会話を楽しみます。ホテルのホールなどが会場となっており、席が決まっていないため自由にいろいろな人と話すことができます。
アメリカでパーティーを楽しむためのポイント
初めてパーティーに参加するときは、ワクワクすると同時に不安にもなりますよね。パーティーはそもそも交流を楽しむ場ですから、マナーさえ守れば誰でも有意義な時間を過ごすことができます。アメリカのパーティーの楽しみ方を押さえておきましょう。
マストで確認したいドレスコード
カジュアルなものから、少しフォーマルなものまで多様なパーティーがあるアメリカ。集まる目的やメンバーによって雰囲気は大きく異なります。ドレスコードがある場合は招待状などで事前に知らされることがほとんどですが、念のためホストの人に再度確認してみると良いでしょう。慣れないうちは、カジュアルOKのパーティーにも、襟付きシャツやジャケットスタイルといったスマートカジュアルくらいの服装で参加するほうが無難です。
特別な事情がなければ手土産を持参
持ち寄り式や会費制のものを除いた多くのパーティーで、ホスト側の負担を減らすために手土産を持っていくのが一般的です。日本円で2000~4000円程度のワイン、花、デザートなどが主流です。ホスト側がせっかくおもてなしの料理を用意しているにもかかわらず、市販のお惣菜や自分の料理などを持っていくと失礼に当たりますので、注意しましょう。
音楽やダンスを楽しむ
アメリカのパーティーでは、必ずと言って良いほど音楽が流れています。ホームパーティーも同じです。そのため、普段あまり洋楽に馴染みがないという人は現地で流行っている音楽をTOP30くらいまで事前に聴いておくことをおすすめします。曲によっては特定の振り付けがあるものもあるので、その場合は周りの人を真似て音楽に合わせて踊りましょう。
パーティーを盛り上げるゲーム
パーティーにはいくつかのゲームが用意されていることがあります。特に「ビアポン」が人気です。テーブルの両端にビールの入ったカップやグラスをピラミッド状に置き、相手側のカップにピンポン球を投げ入れます。ピンポン球を入れられたら、そのカップのビールを飲み干さなくてはならない、というのが大まかなルールです。他にも、トランプカードで引いた数字に従い、一定のルールでアルコールを飲む「King’s Cup」、自分がこれまでに1度も経験したことのない物事を言い合う「Never have I ever」と呼ばれるゲームも有名です。あらかじめルールなどを調べておき、一緒に楽しめそうなものにはトライしてみましょう。
危険を避ける工夫も重要
知らない人がたくさん集まるパーティーには危険も潜んでいます。1人だけで参加しない、見知らぬ異性から飲み物をもらわない、お酒が苦手な人や未成年の場合は飲んでいるフリをするなど、自己防衛の工夫も必要です。
パーティーの雰囲気が苦手な場合
知らない人と話すことが苦手な人は、相手にいろいろ質問して自分は聞き役に徹しましょう。自分の家族や日本文化が伝わる写真をスマホに保存しておけば、写真を見せるだけでも会話が弾みます。また、誰と話して良いかわからないというときは、同じように1人で飲んでいる人に話しかけてみましょう。緊張しているのは自分だけではないことに気づき、同じ境遇から会話が弾むかもしれません。
パーティーに参加するたび友情が深まることも
日本でも、飲み会はメンバーの距離が縮まるなど、コミュニケーションツールのひとつとなっています。構え過ぎることなく、アメリカのパーティーも同じように気軽に捉えましょう。有意義な時間を共に過ごすことで現地の人との距離をグッと縮め、もしかしたら一生の友人を見つけられるかもしれません。留学生活をより楽しむためにも、誘われたパーティーには積極的に参加してみましょう。