海外留学には大きく分けて二種類あります。一つは現地の人たちも通う大学で、英語で科学や人類学などの科目を学ぶ留学。もう一つは世界各国から集まった留学生たちが通う語学学校で、英語そのものを学ぶ留学です。大学と語学学校では、受けられる授業内容にどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、語学留学に興味がある人のために、海外の大学と語学学校の授業についてご紹介します。
||目次||
1. 海外の大学の授業
2. 語学学校の授業
海外の大学の授業
大学に通うと現地の人と同じ授業を受けるので、基本的に英語を学ぶ機会は「English(国語)」の授業のみです。クラスメイトは英語を母語としたネイティブスピーカーが大半なうえに、学習スタイルが日本の大学とは異なるケースがあります。
●授業は参加型
授業は、教授の講義を一方的に聞き続けるタイプよりも、意見を求められるケースのほうが多く、教授は生徒に質問を投げかけてきます。「今朝の新聞で気になったニュースは?」と、講義の導入部分からいきなり学生に話を振る教授もいます。もちろん、生徒が教授に質問するのも自由です。
●グループスタディーがある
意見交換はクラス全体で行われるだけでなく、4~5人のグループや、隣の人とのペアで行われることもあります。グループでは、一つのテーマについてプレゼン準備を一緒に行ったり、別々に作った資料についてお互い意見交換をしたり、評価し合うこともあります。
●予習と復習は当たり前
留学先では授業の予習はほぼ当たり前と思っておいて良いでしょう。アメリカなど海外の学生は小学生の頃から教科書を先に読んで勉強し、授業に臨むスタイルに慣れています。
授業で理解を深めた後は、復習してその内容を頭に定着させる必要があるため、授業にただ出るだけではなく、授業の前後に自分一人で行う作業量は自然と多くなってきます。それに加えて課題も出ますから、日本の大学生活より格段に忙しいといえるでしょう。
●課題が多い
海外の大学は課題が多いことでも知られています。中でもアメリカを例に挙げると、教科書を数十ページも読むリーディングの課題をはじめ、リサーチした内容をまとめるレポート(ペーパー)や、エッセイなどがあります。
レポートやエッセイを書くときには、引用部分や参考文献の記載方法など細かいルールがあり、最初は決まりを守りながら書くだけでも大変かもしれません。
語学学校の授業
語学学校に通うと、英文法や英単語、英会話、リスニングなど、英語に特化した授業を受けることになり、英語以外の授業を受ける機会はあまりありません。
世界中から集まったクラスメイトたちとの異文化交流は、時には学校の授業以上の値打ちがあります。
●自分のレベルに合わせた少人数クラスで学ぶ
語学学校に入学するときは一般的にレベル分けテストがあります。筆記試験だけの場合がほとんどで、同じ時期に入学した人たちと一斉に受験します。
レベル分けをした後、1クラス12名~15名のクラスへと振り分けられます。授業を受けていて、ついていけない場合は途中でレベルを落とすなど、クラス替えにも柔軟な対応をしてくれる学校がほとんどです。
クラスメイトに現地のネイティブスピーカーは一人もいません。ヨーロッパ、南米などから来たさまざまな国籍の人たちと過ごすので、風習や食習慣の違いを知る貴重な体験ができます。
●特化コースを用意しているところもある
語学学校によっては、ビジネス英語やメールの書き方を学ぶためのコース、英語の先生になりたい人のためのTESOL(Teaching English to Speakers of Other Languages)取得コースといった特化コースが用意されています。
日本や韓国からの留学生が多い語学学校の場合はTOEIC®対策のコースがあったり、大学への入学を希望している人たちが多いところならTOEFL®対策を行っていたりします。
1日中専門分野に特化した英語を学ぶケースもあれば、午後の授業のみ専門分野を学習する場合や、希望者が少ない学校では放課後に追加レッスンとして行うところもあります。
●授業の時間
午前または午後の半日だけという学校もあれば、午前9時から午後3時まで通して授業を行うところ、通常授業にプラスして課外授業を行う学校もあります。
学校ごとに用意されているコースは異なりますが、「英語を学ぶ以外に観光も楽しみたい」「短期間で集中的に学びたい」など、目的によって1日の授業時間数を調整することが可能です。
●アクティビティーがある
語学学校で授業以外に用意されているのが、放課後や週末などの時間を利用して行われる課外活動の「アクティビティー」です。
アクティビティーが毎日行われる学校もあれば、近場への観光旅行に週に一度連れて行ってくれるところもあります。都市部の学校にはあまり多くありませんが、郊外で敷地が広い語学学校ではアクティビティーとしてスポーツも楽しめます。
参加は任意で、基本的には事前に申し込みが必要です。内容によって、無料か有料かが異なります。
●大学付属の語学学校の場合
語学学校の中には大学付属のものもあります。私立の語学学校と違って、大学の授業についていける英語レベルを目指す授業が行われています。大学進学のためのアカデミックな英語を意識しているためTOEFL®受験対策に近い授業が主流です。
また、大学の施設を利用できることから、現地の学生と交流する機会が得られるのも特徴でしょう。
大学進学を目指す学生も多く通うので、「早く確実に英語を身に付けたい」と高いモチベーションを持つ学生に囲まれて英語を勉強できる環境です。
カプランではどんな授業が行われている?
語学学校のカプランでは授業とオンライン学習を組み合わせて、より効率よく学べるスタイルを追求しています。また、短期留学・長期留学それぞれにおすすめのコースがあり、留学期間や目標に合わせてセレクトが可能です。
●独自のラーニングシステム
ただ授業を受けているだけでは英語力は身に付かないため、カプランでは独自の教材やシステムによって生徒の授業外の学習をサポートしています。それがカプラン独自のラーニングシステム「K+ラーニングシステム」です。
K+ラーニングシステムでは、教室の中でも外でも同じ教材を使います。 「K+Notes」は授業の内容をカバーしている、いわゆる教科書です。一部のコースを除いて2週間で1冊をやり遂げるようになっています。
「K+Tools」は授業で習った内容を自分で復習するためのオンライン学習システムで、自宅で取り組むことができます。リーディングやグラマー、ライティング、ボキャブラリーという項目があり、ライティングは採点とフィードバックをしてもらうことが可能です。教師は各担当生徒の学習の進み具合をK+Toolsを使って確認します。
「K+Club」は、時事問題や英語の資格試験対策など、通常授業の内容を超えた学習もできる、課外授業スタイルのクラスです。
オンライン教材の「K+Extra」では、授業で学んだ内容を復習することができます。発音やボキャブラリーなどの項目から学びたいポイントを自分で選べるのが魅力です。
●短期留学におすすめのコース
最短2週間から最長1年間まで好きな期間を選べる、短期留学に最適なコースがフレックス英語コースです。「半日英語コース(Vacation English)」「総合英語コース(General English)」「集中英語コース(Intensive English)」の3つから、留学の目的や授業の時間数によって好きなコースを選べます。
バケーション英語コースの授業時間は1日3時間で、英語の学習だけでなく現地の観光も十分に楽しみたい人にぴったりです。
ジェネラル英語コースは最も一般的なコースで、1日の授業時間はバケーション英語コースと同じ3時間です。プラスしてK+Tools、K+Club、K+Extraでも学ぶことができるので、「勉強もしっかりしたいし、観光もしたい!」という人に向いています。
インテンシブ英語コースは、時事問題やIELTS®対策、ビジネス英語などの特別スキルクラスが週に6時間設けられています。そのほかの内容はジェネラル英語コースと同じです。集中的に短期で英語力をアップさせたい人に向いています。
●長期留学におすすめのコース
長い休みを利用して留学するなら、長期8ヶ月留学プログラムがおすすめです。3~4週間の休暇も含めて8ヶ月間滞在することになり、英語の学習はもちろんのこと、異文化体験も目一杯楽しむことができます。
もう少し期間を短くしたい場合は、5ヶ月か6ヶ月を選べる長期5・6ヶ月留学プログラムがあります。セメスターは1学期と2学期の2つに分かれていて、間に1~2週間の休暇を挟みます。
長期8ヶ月留学プログラム、長期5・6ヶ月留学プログラムのどちらも「総合英語(週8時間の特別スキルレッスンなし)」と「集中英語(週8時間の特別スキルレッスンあり)」があり、レッスンの量や学習する英語のレベルを調整できます。
徹底的に英語を学びたいなら語学学校がおすすめ
留学先が大学か語学学校かによって、受けられる授業の内容やスタイルは異なります。英語力アップを狙うのであれば、徹底して英語を学べる語学学校への留学がおすすめです。
海外留学には「一年間留学すれば英語資格で○○点が取れる」という保証もなければ決まりもなく、どれだけ英語力を伸ばせるかは本人のやる気と勉強の内容次第です。
留学の目的が人それぞれ違うように、語学学校の種類やコースも千差万別。自分の希望に一番近い留学が実現するコースを見つけられるように、まずはどこで何ができるか調べることから始めてみましょう。