就職をする前の大学生のうちに、留学をしたい。そう思う方も多いのではないでしょうか?実際に、大学生で留学するメリットはとても多くあります。
決定的なメリットが「時間がたくさんとれること」です。出産や結婚、職場で出世などすれば、長期間休みをとることはなかなか難しくなります。
大学生だから、まだまだ海外に行くレベルに足りていないと思っていては、とてももったいないです。留学に行くなら大学生のうちなのです!そこで今回は、大学生の留学の種類と費用など、詳しく紹介します。これから、留学に行きたい、興味がある大学生は必見です。
1.大学生の留学スタイル
短期留学
期間
夏季・冬季休暇の1週間〜2ヶ月間
特徴
短期留学のため、実際の生活を通して英語を学ぶというよりは、英語の授業を現地で受けて学ぶという点が最大の特徴です。短期留学では別の国から来ている留学生と授業を通して交流ができます。また、現地の有名な観光スポットに行ったり、短期間のボランティア体験もあわせて行うことができます。
推奨される英語力
- TOEIC400点〜
- 英検2級
メリット
大学生という金銭的自由がない中で、比較的親の援助を受けずに行くことができるスタイルです。また、長期休暇を利用するので、休学などで大きく生活を変える必要がなく、負担をかけずに安心して留学をすることができます。短期留学ということもあり、英語が苦手でも何とか生活していける滞在期間であるため、英語をこれから学びたいという人でも行くことができます。少しの費用で、異国の文化や人々を見ることができ、考え方や価値観に対して影響を受ける人もいます。
休学(長期)留学
期間
半年〜1年
特徴
在籍している日本の大学を休学して、海外の大学に長期留学をすることです。とにかく海外で英語力を磨きたい、就職に有利な実績や経験値をつけたいという方におすすめのスタイルです。語学学習プログラム3ヶ月→インターンシップ半年→ボランティア3ヶ月など、期間を決めて様々なことに取り組むことが出来るのが特徴です。
推奨される英語力
- TOEIC 550点〜
- 英検2級程度
メリット
最大のメリットは、現地での生活を通して本場感覚の英語力を身につけることができることでしょう。また、長く身をおいてみないと分からない、その土地の文化や国民性の理解を深めることができます。さらに、留学のプランを自由に組めるので、語学だけでなく、ボランティアやインターンシップなど、自分のやりたいことをプランに取り入れることができます。
デメリット
自由にプランを組める反面、留学費用は全額負担になります。また、学校の選定や手続き、現地での寄宿の手配も全て自力で行う必要があります。相当の費用がかかると想定されるので、どのくらい費用がかかるのかを計算をするのがベターでしょう。
認定・交換留学
特徴
認定留学と交換留学は共に、海外の大学の授業を受けて単位を取得し、日本の大学へ単位を移行できる留学です。
メリット
休学留学と比較すると単位の移行ができるため、帰国後に卒業が遅れる心配がありません。日本の大学が協定を結んでいる海外の大学へ留学する「交換留学」と比べると、選択肢が多く、自分の希望に合わせて留学先を選ぶことができます。
デメリット
日本の大学も在籍扱いとなるため、留学費用と学費の両方を負担する必要があります。また、大学の入学条件に必要な高い英語力が求められます。
インターンシップ・ボランティア・ワーキングホリデー
期間
1ヶ月〜2年以上
特徴
夏季休暇、冬季休暇を利用して申し込むものから、1年以上の本格的なものまで様々なニーズに合わせたスタイルが存在します。また、語学学習ではなく実際に活動して実践しながら覚えていくことがインターンシップやボランティア、ワーキングホリデーの特徴といえるでしょう。
推奨される英語力
- TOEIC 400点〜
- 英検2級程度
メリット
異国の地で、仕事やボランティアを通じてコミュニケーションをとることにより、語学力だけでなく自分で考える力や問題解決力を身につけることができます。就職活動においても強みの要素にすることができます。
大学院留学
期間
1~2年(渡航先によって異なる)
特徴
大きな特徴は、大学院の教育制度や入学難易度が国によってまるで異なることです。通学期間も国によっては1年ということもあれば、2年の場合もあります。専攻(コース)よりも渡航先を熟考した方が良いでしょう。
推奨される英語力
- TOEIC 800点〜
- 英検1級程度
※院入試には高い語学力が必要になります。
メリット
MBAなどハイレベルの専門的教育を受けることができます。また、修士課程を履修したという経歴は転職活動、就職活動において大きな利点として活かすことができます。
2.大学生で留学するなら時期はいつがいいの?
学年別!大学生の留学スケジュールについて
ここでは、学年別にどのタイミングで、どれくらいの期間留学をするのが良いか、メジャーなプランを紹介していきたいと思います。
1年生の場合
留学スタイル: 短期留学
留学時期: 夏休み、春休み
おすすめ理由: 海外生活や留学が自分に合っているかを見極められ、それを基に早い段階で進路変更がしやすい。
2、3年生の場合
留学スタイル: 長期留学(休学・認定・交換)
留学時期: 4月または9月から
おすすめ理由: 就職活動などで忙しくなる前の2、3年生が最適
海外では日本と異なり、新学期の始まりを9月としている国が多いです。しかし、これは全ての国にあてはまるわけではなく、オーストラリアやニュージーランドは1月を新学期のはじまりとしています。留学する時期は、渡航先の学期始まりにあわせるのが得策です。
就職活動や院試験を控えている人も多いと思うので、なるべく4年生の学期始めに帰国できるタイミングで渡航をしたほうが良いでしょう。
4年生の場合
留学スタイル: インターンシップ・ボランティア・ワーキングホリデー
おすすめの留学時期: 冬休み
おすすめ理由: 就職前に、今後のキャリアに生かせるような体験をする
4年生の半分の時間は、就職活動に時間を割くことになると思います。もし、行くなら内定が出てから、インターンシップ、ボランティア、ワーキングホリデーに行くのがおすすめです。学生最後を楽しい思い出だけで終わらせるのではなく、意義のある経験をすることで、今後の就職してからの人生に役立てることができるかもしれません。
考慮すべきポイント
卒業論文を準備する時期
大学によっては、3年生のゼミからそのままエスカレーター式に卒論ゼミに上がる大学もあります。事前に、留学に行きたいのであれば、卒業論文や単位のカリキュラム、提出時期などを調べておき、提出しそびれることのないように注意をすることが大切です。
就職活動を準備する時期
現在は、就職活動の正式な開始時期は、大学4年生の6月からとなっていますが、その前にも事前説明会や企業の合同説明会が行われます。長期留学に行く場合は、就職活動の時期にかぶらないように逆算して渡航日を決めるのが良いでしょう。
3.大学生留学でかかる費用はどれくらい?
留学費用は大きく分けて2つ
留学でかかる費用は大別すると、以下の2つになります。(※あくまでも相場目安です。)
出発前にかかる費用/年…31.7万円
- 往復航空券…渡航先に準ずる
- パスポート申請…16,000円 (20歳以上、10年間の場合)
- 学生ビザ申請…11,000円〜 (渡航先に準ずる)
- 海外留学保険…130,000円〜
- 留学会社の手配代行…150,000円〜 (サポート費用含む)
- 持ち物購入…10,000円〜
留学先でかかる費用/年…511万円
- 授業料…341万円 (アメリカ私立大学の平均)
- 滞在費・寮費(食費)…122万円 (アメリカ大学寮に入寮した場合)
- 交際費…130,000円〜
- 生活費 (交際費+携帯代)…26万円+9万円=35万円
留学スタイル別・国別に見る授業料と滞在費・食費の目安
留学の種類と渡航先によって、留学にかかる費用は大きく異なります。以下に、主要の留学スタイルと渡航先別を組み合わせた比較表を作成しましたので、参考にしていただければと思います。
費用※1 | 短期※2 | 長期※3 | 大学※4 |
滞在期間例 | 3ヶ月 | 1年 | 4年 |
アメリカ | 67万円 | 480万円 | 1,920万円 |
イギリス | 54万円 | 286万円 | 616万円 |
カナダ | 37万円 | 432万円 | 1750万円 |
オーストラリア | 43万円 | 370万円 | 1200万円 |
ニュージーランド | 38万円 | 219万円 | 876万円 |
アイルランド | 40万円 | 276万円 | 1100万円 |
※1 授業料、滞在費(大学の場合は寮費)・食費の合算値を掲載。計算は全て円換算。あくまで相場です。
※2 語学学校の短期留学プラン(1ヶ月)を想定。滞在費はホームステイで算出。
※3 大学留学を想定。
※4 大学4年間のフル留学を指す。
国によっては、学費や滞在費以外の費用が発生するケースも少なくありません。
例えば、オーストラリアでは、短期・長期の留学に関わらず「海外留学生健康保険(OSHC)」へ加入が必須で、年間で3~4万円かかるといわれています。また、イギリスとオーストラリアの大学に留学する場合は、事前に「ファウンデーションコース」への通学が必須となり、大学費用とは別途費用がかかります。
費用を抑えるコツ
上段で説明したとおり、留学には多額の費用がかかります。費用を抑えるためによくあげられるポイントが以下の2つです。
1.交換留学/地方留学制度、奨学金制度を利用する
国内外で募集されている奨学金プログラムや留学制度を利用するのは一つの手です。
費用の負担も減り、場合によっては全額支給というケースもあります。短期であるほど、全額支給されるケースが多いです。また、交換留学では「単位互換」が認められて休学をする必要がないため、日本の大学と渡航先の大学の学費の二重支払いを回避することができます。
2.生活費を節約する・留学先でアルバイト
生活費を節約するのは現実的な手の一つといえるでしょう。
特に自分で節約しやすいポイントが滞在費です。大学の場合、寮も学費に含んでいるケースがありますが、そうでない場合は、シェアハウスなどに住んで家賃を下げるのが良いでしょう。
また、ファームや農家に住み込んで働くという手もありますが、労働がきつい分学業に支障が出る可能性があるので、短期留学をする方向けになります。長期の方は、飲食店等でアルバイトをして生計を立てていくのが現実的でしょう。
大学生で留学をした体験者の声
休学留学
ノグチ シオリさん
「間違えなくては学べない!と気づかされた留学」
ケンブリッジ語学学校(イギリス)
インテンシブ アカデミック イヤーコース受講
しっかりと渡航国と留学プランを決めて悔いのない留学を!
いかがでしたでしょうか。悔いのない留学をするためにも、渡航国と留学プランを入念に検討することが重要なことはお分かりいただけたかと思います。
特に気をつけなければいけないことで、渡航時期は、留学スタイルによって大きく異なります。渡航先の学校によっては願書申込の締切りが早めに設定されている場合があるので、事前に確認するのが得策です。
ぜひ、参考にしてみてはいかがでしょうか?