語学留学でアメリカを訪れる際に緊張する場面の一つが、空港の入国審査です。特に初めての場合は不安になりますが、しっかりと事前準備をしておけば落ち着いて対処することができます。今回はアメリカでの語学留学を控えている人に向けて、必要な書類から質問の答え方まで、スムーズに入国するためのコツをご紹介します。留学前にポイントを押さえて入国審査に臨みましょう。
||目次||
2. アメリカの入国審査の流れ
3. 入国審査で聞かれる質問
4. 入国審査で使えるフレーズ
アメリカの入国に必要な書類
アメリカに入国するために必要なものはパスポートや学生ビザ、入学許可証が基本ですが、他にも持っていたほうが良い書類がいくつかあります。
️パスポート
日本のパスポートの場合、パスポートの有効期限が滞在許可期間となります。留学中にパスポートの有効期限が切れる場合は、アメリカにある日本大使館もしくは総領事館で更新することができます。未成年者の場合や有効期限が既に切れてしまっている場合など、事情によって必要書類が違うので、日本大使館または総領事館に問い合わせましょう。
️学生ビザ
アメリカの認定大学・私立高等学校・認可された英語プログラムなどで授業を受ける場合や、週18時間以上の授業を受ける場合に必要なのが学生ビザ(F-1ビザ)です。授業時間が週18時間未満の場合は90日以内の滞在に限り学生ビザが免除され、電子渡航認証システム(Electronic System for Travel Authorization: ESTA)だけでの入国も可能です。原則、学生ビザは現地で取得できません。
️I-20(入学許可証)
I-20 はStudent and Exchange Visitor Program (SEVP)認定校により発行される書類のことで、学生ビザを取得する際にも必要となります。履修学科やコース期間、登校開始日などの情報が記入されており、入国審査時に必要な上、留学中に途中出国する場合も必要なので学生ビザとセットにしておきましょう。
️税関申告書や留学先の連絡先など
機内で配布される税関申告書も記入して忘れずに提出します。学校の連絡先や担当者の電話番号、滞在先の住所・電話番号、ビザ申請時に使用した英文の財政証明(残高証明書など)も念のため用意しておきましょう。入国審査で質問されたときに、そうした書面が役立つ場合があります。リターンチケットを持っている場合は、すぐ取り出せる位置に入れておきましょう。
️SEVIS領収書
「SEVIS(Student and Exchange Visitor Information System)」とは、学生・交流訪問者情報システムのことです。アメリカでは学生や訪問交流者が書類を受け取ってから卒業する(またはプログラム終了、学校を辞める)までをインターネットのベースシステムで管理しています。アメリカ移民局に支払ったSEVISの領収書は郵送されますが、クレジットカードで支払った際の領収画面を印刷したものでも大丈夫です。必須ではありませんが、入国時に提出を求められることがあります。
アメリカの入国審査の流れ
入国審査の際、不必要にフレンドリーに接したり、曖昧な答え方をしたりすると、入国できない場合があります。はっきりとした態度で接しましょう。
️入国審査時の注意点
アメリカの入国審査では、ほんの少しでも不法滞在や不法就労につながりそうな要素があると詳しく質問されたり、別室で取り調べを受けたりすることがあります。語学留学中・留学終了後ともにアメリカで働く意思がないこと、留学終了後は速やかに帰国することをはっきり伝えましょう。また、入国審査の際、必要以上にフレンドリーな態度をとると怪しまれる場合があります。
️飛行機到着後~入国審査の流れ
飛行機を出た後は「Immigration(入国審査場)」という指示の方向に進みます。その後アメリカ在住ではないことを示す「Foreigner」「Non-Resident」「NON-US CITIZEN」と書かれているゲートへ進みます。「Next!」と呼ばれたら、パスポートと学生ビザ、I-20を提出します。他の書類は求められたら場合のみで構いません。いくつかの質問に答えた後、指紋採取と顔写真の撮影へ移ります。
入国審査で聞かれる質問
入国審査で聞かれる質問には、いくつかパターンがあります。代表的なものを4つご紹介します。
●What’s the purpose of your visit?
「どのような目的で来ましたか?」という質問です。「Business or pleasure?」(仕事ですか?それとも遊びですか?)と聞かれる場合もあります。入国目的を確認されています。「What is your occupation?」(職業は何ですか?)と聞かれることもあります。
●How long will you stay?
「どのくらい滞在しますか?」という質問です。「When will you return to your country?」 (いつ、自分の国に帰りますか?)と聞かれる場合もあります。滞在期間や永住目的ではないことを確認するための質問です。
●Do you have a return ticket?
「リターンチケット(帰りの航空券)を持っていますか?」と質問をされることがあります。リターンチケットは入国時に必須のものではありません。しかし、万が一、入国審査官が何か不審な点を感じて「Do you have a return ticket?」と聞いてきた場合、リターンチケットを持っていると帰国する意思があることを示せるので安心です。
●Where are you going to stay?
「滞在先はどこですか?」という質問です。「What address will you be staying at?」(滞在する場所の住所は?)と聞かれる場合もあるので、その際は税関申告書や出入国カード(ESTAがある場合は不要)、メモしておいた滞在先の住所などを見ながら落ち着いて答えましょう。
入国審査で使えるフレーズ
入国審査の質問に対して答える際や、聞き返す場合のフレーズも覚えておくと慌てずに済みます。
●滞在の目的を答えるとき
語学留学の場合は、基本的に「To study (English).」(留学です)と答えれば問題ありません。
●滞在期間を答えるとき
「Three months.」(3カ月)や「Two years.」(2年)と具体的に期間を答えるか、リターンチケットを持っている場合は「I will return home on the 3rd of March.」(3月3日に帰る予定です)と答えても良いでしょう。
●滞在場所を答えるとき
「At my friend’s house.」(友人の家です)や、ホームステイの場合は「At my host family’s house.」と答えます。入国審査官が住所などを詳しく知りたい様子の場合は、滞在先の情報が記載されたプリントアウトを見せます。
●帰りのチケットの有無を聞かれたとき
持っている場合は「Yes, here you are.」(はい、どうぞ)と言って差し出し、持っていない場合は「No. I will buy one before I leave.」(いいえ、帰国前に購入します)と答えます。
●質問をもう1度繰り返してほしいとき
質問が聞き取れない場合は「Sorry?」(すみません)と聞き返すか、「I’m sorry. Could you say that again, please?」(すみません。もう一度言っていただけますか?)という尋ね方が丁寧です。
●もっとゆっくり話してほしいとき
「ゆっくり話してください」とお願いしたいときは、「Please speak slowly.」を使います。緊張して「please」を言い忘れると「ゆっくり話せ!」という命令形になってしまうので、注意しましょう。その場合は「Speak slowly, please.」と「please」を後から付け加えます。人によってはこの表現を不快に感じる場合もあるので、聞き取りづらい場合は、まず「Sorry?」や「Could you say that again, please?」と尋ねたほうが良いでしょう。
はっきりと渡航目的を伝えることが大切
入国審査官は入国者が不法滞在者ではないか、不法就労者ではないか、見極めようとしています。滞在目的や滞在場所など、どのような質問に対してもはっきりとした態度で答えることが重要です。曖昧な答え方をしたり、笑ってごまかそうとしたり、書類に不備があったりすると長時間質問されることもあるので、事前準備は万全にしておきましょう。